食事*34* ページ34
貧相、と言い放ったその彼は、こちらにゆっくりと歩み寄ってきた。
.....威圧的なオーラを纏ったまま。
「....貴方は確か...」
一期さんは知っているのか、驚いたように男性を見つめている。
『い、一期さん、この人は...?』
「おや、俺を知らないのか?....まぁいいか」
男性はお辞儀をすると、さっきとは違う笑顔を作った。
自信満々な、例えるなら長谷部さんのような....。
「初めまして、俺は山姥切長義。上からの命令でこの本丸の調査に来たのだが...」
『あ、わ、私が主で間違いありません!』
「...へぇ、まだ、か。じゃあ早速政府からの伝言を伝えよう」
“政府からの伝言”
その言葉に、思わず息を呑み込んだ。
一体何を言われるんだろうか....何かやらかしてしまったんだろうか。
私は不安で震えだした拳を強く握り、何とか自分を落ち着かせる。
『で、伝言、とは...?』
「....今、大倶利伽羅と鶴丸国永はいるかな?」
『え?あ、ああ....えっと、鶴丸さんは朝、出陣してて.....あっ!でも、もうすぐ帰って来ると思います!!』
「そうか。では鶴丸国永が帰って来るまで待とう。先に大倶利伽羅を呼んできてくれるかい?」
『は、はい!』
私は慌てて大倶利伽羅さんの部屋に向かった。
.
.
「は?政府から?」
大倶利伽羅さんはめんどくさそうに眉をひそめる。
そして深くため息を吐き、読んでいたであろう本を机に置いた。
だけどゆっくり立ち上がって、私の後ろにつく。
「....何だ?俺はそいつの場所なんて知らないからな。あんたが連れて行くんじゃないのか?」
『あ、そ、そうですよね!それじゃ早速行きましょうか!!』
大倶利伽羅さんがついてきてくれることが嬉しくて、スキップ混じりに長義さんの元に向かう。
何故か大倶利伽羅さんに「馬鹿かこいつ」みたいな目で見られたけど、気にしないでおこう...!!
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「それがここの本丸の大倶利伽羅か。...見た目は普通だな」
「....何だ」
「いや?人殺しの割には悪人面でも霊気が濁ってるわけではないと思ってね」
「何だと....?」
どす黒い空気がその場に広がる。
え、え!?こっ、これどうしたらいいの....!?
「おっ、主!無事帰ってきたぞ!....ん?何だ?この空気...」
『つ、鶴丸さぁん...!!』
初めて鶴丸さんが救世主に見えた。
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みかづち(プロフ) - 雨蛙さん» ありがとうございます!更新頑張っていきます!! (2019年6月1日 21時) (レス) id: 69b5dcb367 (このIDを非表示/違反報告)
雨蛙 - 本当におもしろいです!久しぶりにこういう話を読んだので続きが気になります(///∇///)更新頑張ってください!! (2019年5月19日 18時) (レス) id: 43a251e5e3 (このIDを非表示/違反報告)
みかづち(プロフ) - 緑@最推し信濃さん» ありがとうございます!更新頑張ります!!(`・ω・´)ゞ (2019年5月4日 11時) (レス) id: 69b5dcb367 (このIDを非表示/違反報告)
緑@最推し信濃 - めっっっっちゃ、面白いです!!!更新頑張って下さい!応援してます(^o^) (2019年5月4日 8時) (レス) id: a246b0d986 (このIDを非表示/違反報告)
みかづち(プロフ) - みるくてぃ@毒占欲の人さん» そう言っていただきとても嬉しいです!!もう一つの方も頑張って更新します!!! (2019年1月12日 18時) (レス) id: 69b5dcb367 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みかづち | 作成日時:2018年12月20日 21時