食事*43* ページ43
というのが、二日前にあったこと。
ちょっと軽くトラウマなんだよね・・・・・。
「眠くなったら遠慮せずに言ってくれよ?いつでも話す機会はある」
『じゃあどうしてこんな時間に・・・?』
「・・・・・誰にも聞かれちゃいけない話だからさ」
『えっ』
予想もしていなかった言葉に、思わず声を上げる。
鶴丸さんは口元に人差し指を立て、「静かに」と声を潜めた。
「これは加羅坊にもあまり話しにくいことでな・・・・ましてや、他の刀に聞かれると面倒なことになりかねない。今から話すことは他言無用だぜ?」
『は、はいっ』
「よしよし」
彼は私の隣に座り直すと、懐かしそうに目を細めて話し出した。
----------------------------------------------------------
それじゃあ、昔の話からにでもするか。
はは、じじ臭いだろ?まぁでも、君に話さなきゃ気が済まないと思ったんだ。
俺がこの本丸に来た時期、当時はかなり珍しかったらしい。
十振り目、だったか?俺は早めにここに顕現されたんだ。
まぁ、加羅坊や光坊はもっと早かったらしくてな?それにも驚いたわけだが。
周りや政府達は驚いていたな。こんなにも早く鶴丸国永が来るなんて、と。
そんな運が強い初代は、君と同じ女で、身体が弱いくせに気だけは強くて・・・・
俺達を眩しいほどの笑顔で引っ張ってくれる人間だった。
俺は初代に気に入られていたからか、ずぅっと近侍に任命されていたんだ。
当然、嬉しかったさ。俺の知っている人間とは程遠い、尊い存在だと思ってたからな。
だが・・・・ある日、加羅坊の様子がおかしいことに気付いたんだ。
光坊が悲しそうにおかずを見つめて、加羅坊に話しかけていたからな。
何かあったのかと、俺は気にかけながら自分の前に置かれたおかずを口にしたんだ。
その時に食べたのは・・・・牛肉、だったか?
まぁ、あれを一言で言うなら・・・・・
虫でも食ってる気分だったな。
とにかく、美味しくなかったんだ。
不味くて、今にも吐き出したくてたまらなかった。
でもせっかく光坊が作ってくれたものだ。本人の前で吐くわけにもいかないだろ?
それにその時は夕食時。みんなの気分を害するのは本意じゃない。
俺は我慢して呑み込み、「美味いな、流石光坊だ!」なんて笑ってみせたのさ。
あれは我ながら完璧な演技だったなぁ。
212人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「刀剣乱舞」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
みかづち(プロフ) - 雨蛙さん» ありがとうございます!更新頑張っていきます!! (2019年6月1日 21時) (レス) id: 69b5dcb367 (このIDを非表示/違反報告)
雨蛙 - 本当におもしろいです!久しぶりにこういう話を読んだので続きが気になります(///∇///)更新頑張ってください!! (2019年5月19日 18時) (レス) id: 43a251e5e3 (このIDを非表示/違反報告)
みかづち(プロフ) - 緑@最推し信濃さん» ありがとうございます!更新頑張ります!!(`・ω・´)ゞ (2019年5月4日 11時) (レス) id: 69b5dcb367 (このIDを非表示/違反報告)
緑@最推し信濃 - めっっっっちゃ、面白いです!!!更新頑張って下さい!応援してます(^o^) (2019年5月4日 8時) (レス) id: a246b0d986 (このIDを非表示/違反報告)
みかづち(プロフ) - みるくてぃ@毒占欲の人さん» そう言っていただきとても嬉しいです!!もう一つの方も頑張って更新します!!! (2019年1月12日 18時) (レス) id: 69b5dcb367 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:みかづち | 作成日時:2018年12月20日 21時