34話 ページ35
耳郎と八百万と別れて下駄箱で靴を履き替える。生徒の殆どは既に帰宅したみたいだ。
.....身体がかなりだるい。リカバリーガールの治療はかなり自身の体力を消耗するみたいだ。やはり保健室で少し休んでいけば良かっただろうか。まぁしかし歩けない程でもない。くらくらする身体を振るい立たせて帰り道を歩く。
「邪魔だフラフラしてんじゃねぇよクソが！！」
「！ ご、ごめん爆豪くん....」
いきなりの後ろからの悪態に驚きながらも、道を開ける。そんなに私フラフラしているのか....情けない。いつもの不機嫌顔で大股で抜かしてったかと思うと、少し前でピタリと止まる。どうしたのかと思っていると、彼は態と聞こえるように大きな舌打ちを打った。
「おい.....鞄よこせや。」
「は....かつあげってやつ...？」
「途中まで持ってやるっつってんだろが殺すぞ！！！」
....言っていない。何かを言う前に鞄をふんだくられ、ポカンと先をゆく爆豪を見つめる。意外にも程がある、と思っては失礼だろうか。普段の態度から見ても、鞄を持ってくれるなんて考えつかないものだから。
そう考えていると、さっさとこいやと怒鳴られ慌てて後を追う。
(.....あ、歩幅合わせてくれてるのか)
ゆっくり歩いているのに距離がそんなに離れないのを見ると、彼はかなり遅めに歩いてくれているのだとわかる。....優しいのか、そうでないのかよく分からないな爆豪くんは。
「....爆豪くんは、怪我とかなかった？」
「はっ、俺があの雑魚ヴィラン相手にある訳ねェだろが。」
「そうか、...良かった。」
保健室で聞いた話では、1番の重症は相澤先生だった。両腕粉砕骨折に、顔面骨折。.....最悪、目に何かしらの後遺症が残る可能性があると。言葉に出来ない気持ちが胸の中を駆け巡り、グ、と押し潰されそうになる。皆が無事だったのは相澤先生のお陰だ。全て、彼が無茶をしてまで引き受けたから。....けれど、私がこんな事を思うのはおかしいと分かっているけど...
(.....死なないで、よかった...)
そう思わずにはいられない。だって、死んでしまったらもう戻れない。良かった、なんて思うのはお門違いなのは分かっているけど、やっぱり死にかえられないものはないのだ。それでも彼の重症は私のせいだ。何を代償に償っても償いきれない。....相澤先生に会わす顔なんて本当はない。
「....てめェは、今日の事何か知ってたんか。」
「.....え？」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 100人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
まいちゃお(プロフ) - 小動物もふり隊さん» ご指摘ありがとうございます！ すみません直しました！ (2020年3月7日 18時) (
レス) id: 082892335f (このIDを非表示/違反報告)
小動物もふり隊 - １８話 復讐が復習になってますよ (2020年3月6日 15時) (レス) id: 38d491ffad (このIDを非表示/違反報告)
まいちゃお(プロフ) - Lilyさん» デリバリーガールwww本当ですねすみません、すぐ直します笑 そんなに楽しみにしてくださって貰うなんて凄く嬉しいです！！ありがとうございます！ (2019年7月30日 1時) (レス) id: 082892335f (このIDを非表示/違反報告)
Lily(プロフ) - 続きが気になって更新されたらすぐに読んでいます！頑張ってください！あとですね、リカバリーガールがデリバリーガールになってますよ。 (2019年7月30日 1時) (レス) id: 3d5bc7771c (このIDを非表示/違反報告)
まいちゃお(プロフ) - めだまやき。さん» ぁあああコメントありがとうございます！！！超絶嬉しいです！！頑張ります！ (2019年7月18日 23時) (レス) id: 082892335f (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：まいちゃお | 作成日時：2019年5月23日 2時
