29話 ページ30
「馬鹿言わないで...！ あそこに居るのは今凍らしたヴィランとは格が違う！！」
「そんなこと分かってる。....だから行くんだ。」
「...っ、なん、で...」
力強い瞳で振り返られ、どう言っても無駄な気がした。....相澤先生達を助けたい。その気持ちがヒシヒシと伝わってきて何も言えなくなってしまう。確かに私だって助けたい。けど彼の力では死柄木弔にさえきっと届かない。もし、万が一彼が傷ついてしまったら...
「....何でお前がそんな顔をするんだ。」
「え...？」
「いや....心配するな。無茶はしねぇ。」
じっと見つめ返してくるその瞳はやはり考えを改めてくれる気はないようで、諦めるしかなかった。けれど.....信じてみる、というのもありかもしれない。轟くんの選択を。
「.....、分かった。でも、これだけは約束して。＿＿＿死なないで。」
か細く発した言葉には、色んな思いが詰まった。一瞬過ぎった父と母の姿。どれだけ時を刻もうと、あの日の記憶は少しも霞まない。いくら強くても、絶対安心、絶対大丈夫なんてない。死んでしまう時は一瞬なんだ。
一緒に戦いに行けない状況がもどかしくて、辛くて唇を噛みしめていると、頭に手が乗っかる感触がした。
「あぁ....約束する。だからお前は先に出口に向かってろ。」
そう言って走って行った轟を見送ると、私は出口とは逆の方向へ走り出した。
そう、皆が強くても絶対安心なんてものはない。強いヴィランが混じっているかもしれない。相性の悪いヴィランが居るかもしれない。....誰かが傷ついてしまっているかもしれない。そんな事考えたら助けに行かないなんて選択は私にはないのだ。
(私はヒーローにはなれないし、そんな資格はないけど.....それでも皆を守りたい)
精一杯手を伸ばして届く範囲で.....私は出来ることをする。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 100人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
まいちゃお(プロフ) - 小動物もふり隊さん» ご指摘ありがとうございます！ すみません直しました！ (2020年3月7日 18時) (
レス) id: 082892335f (このIDを非表示/違反報告)
小動物もふり隊 - １８話 復讐が復習になってますよ (2020年3月6日 15時) (レス) id: 38d491ffad (このIDを非表示/違反報告)
まいちゃお(プロフ) - Lilyさん» デリバリーガールwww本当ですねすみません、すぐ直します笑 そんなに楽しみにしてくださって貰うなんて凄く嬉しいです！！ありがとうございます！ (2019年7月30日 1時) (レス) id: 082892335f (このIDを非表示/違反報告)
Lily(プロフ) - 続きが気になって更新されたらすぐに読んでいます！頑張ってください！あとですね、リカバリーガールがデリバリーガールになってますよ。 (2019年7月30日 1時) (レス) id: 3d5bc7771c (このIDを非表示/違反報告)
まいちゃお(プロフ) - めだまやき。さん» ぁあああコメントありがとうございます！！！超絶嬉しいです！！頑張ります！ (2019年7月18日 23時) (レス) id: 082892335f (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：まいちゃお | 作成日時：2019年5月23日 2時
