15話 ページ16
尾白くんと透ちゃんは軽い霜焼けになったくらいで大事には至らなかった。長引かせてごめん、と瞳を下げるが2人は全く気にしてないようで凄い凄いと興奮して褒めたたえてくれた。あれ、負けたんだよねと思い起こす程に。
生徒達が観戦ルームに戻り反省点と良かった所をあげると、また次の試合の準備を始める。
1試合目の緑谷少年の試合にも勿論ド肝を抜かされたが、またそれと同じくらい驚かされたのはA少女たちの戦闘だ。最初轟少年の圧勝かと思われたこの試合は、AAの機転によって長引いた。二人とも飛び抜けた強い個性ではあるが、それだけではない。まるで実践に慣れたような動きに、他とは違う意思を持っているように見える冷たい瞳。...どうしても、気になってしまう。思わず帰ろうとしている彼女に手を伸ばす。
「A少女。ちょっといいかな。」
「！ ＿＿...オールマイト」
(＿＿何て目をするんだ、君は)
他の生徒の憧れや尊敬、キラキラした瞳とは全く違う瞳で自分を見つめる彼女に困惑する。戦闘の時の冷たい瞳とはまた違う、まるで罪悪感のようなものを向けられているようにも思える。緑谷少年の様に憧れでヒーローを目指しているとは正反対の様な様子が気になり、やっぱり直接聞いてみようとわざと明るい声で尋ねる。
「A少女は、どうしてヒーローになりたいと思ったんだい？」
「.......え」
そんな事を聞かれるとは1ミリも思っていなかったみたいで、彼女は数秒瞳を大きく開いて困ったように泳がせた。
「........お父さん、みたいな....ヒーローに、なりたくて」
「！ そうか、君の父親もヒーローだったのか。...君の両親は確か」
「すみません、オールマイト。この話はあまりしたくないんです。」
悲しげな瞳を下げてそう呟いた彼女に慌ててすまない、と声を上げる。...生徒の個人情報の書類では彼女の両親は幼き頃に他界と表記してあった。彼女の中でこの現実はまだ乗り越えていた訳ではなかったみたいだ。A少女はこれ以上話したくないと言うように、それでは、と一言残してそのまま去っていく。
(だが、あの瞳に宿すものは......本当に君はヒーローを目指しているのか...？)
何故か酷く悲しげに見えるその後ろ姿を見つめ、彼女のことは少し気に掛けるようにしようと決めたオールマイトだった。
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まいちゃお(プロフ) - 小動物もふり隊さん» ご指摘ありがとうございます！ すみません直しました！ (2020年3月7日 18時) (
レス) id: 082892335f (このIDを非表示/違反報告)
小動物もふり隊 - １８話 復讐が復習になってますよ (2020年3月6日 15時) (レス) id: 38d491ffad (このIDを非表示/違反報告)
まいちゃお(プロフ) - Lilyさん» デリバリーガールwww本当ですねすみません、すぐ直します笑 そんなに楽しみにしてくださって貰うなんて凄く嬉しいです！！ありがとうございます！ (2019年7月30日 1時) (レス) id: 082892335f (このIDを非表示/違反報告)
Lily(プロフ) - 続きが気になって更新されたらすぐに読んでいます！頑張ってください！あとですね、リカバリーガールがデリバリーガールになってますよ。 (2019年7月30日 1時) (レス) id: 3d5bc7771c (このIDを非表示/違反報告)
まいちゃお(プロフ) - めだまやき。さん» ぁあああコメントありがとうございます！！！超絶嬉しいです！！頑張ります！ (2019年7月18日 23時) (レス) id: 082892335f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まいちゃお | 作成日時：2019年5月23日 2時
