愛した彼は【降谷零】 (ページ5)

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4. あの時ページ5

それから蘭ちゃん達としばらく
話していると

蘭｢雨降ってきましたね｣

『わっ、ほんとだ…
今日天気予報晴れだったのに…』

つくづく運がない女だと思う

コ｢Aさん傘ないの？｣

『ま…まぁ…
大丈夫よ！
きっとすぐ止む…』

安｢明日にかけて大雨だそうですよ｣

『そ…そんな…
タクシー拾うかぁ…』

折りたたみ傘くらいカバンにいれておくべきか

安｢もう少し待っていただければ
僕が送りますよAさん｣

『それは悪いですよ
安室さん…！』

零が突然送ると言い出し
焦りを隠しきれていない自分に
余計に焦る

安｢風邪でもひかれたら
お仕事大変でしょう？｣

さすが零…
私のいたい所をついてくる

『じゃあ…
お願いします…』

安｢お任せ下さい！｣

久しぶりに零と2人

案外運がいいのかもしれない……

それから蘭ちゃんとコナンくんは帰り
戸締りを終えた零と一緒に車に乗り込む

｢こうして2人になるのも久しぶりだな｣

『そうね…』

｢その指輪まだ持っていたなんて
驚いたよ｣

『……どうしても捨てられなくて』

そうか…と零が返事を返すと
会話が途切れる

『ねぇ降谷くん』

｢なんだ？｣

『私達はあの時……

別れて正解だったのかなっ…』

涙が出てくるのがわかる

抑えなきゃ、と思っても
どんどん目元が熱くなる

なにも答えない零

気がつくと私のマンションの前で…

『あっありがとう、
またね…』

｢A｣

名前を呼ばれ思考が止まる

｢俺はあの時別れたこと

……後悔している｣

8年間ずっとな…

と私に投げかける

『あの頃に戻れるなんて思ってない

でも気持ちはあの頃と変わらない
でもあなたはきっと』

___あの時みたいに私の為だって言って
離れていくんでしょう…？___

涙を流しながら彼に問う

その途端私は暖かいものに包まれ
懐かしい香りが鼻をかすめた

零に抱きしめられている…
とすぐにわかった