私の執事 4【GENE】

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ｺﾝｺﾝ



直｢A、ちょっといい？｣







家に帰り夕飯を済ませて部屋でゆっくりしていたところ、ドアのノック音と直人さんの声が耳に入る。






A『うん、』





ｶﾞﾁｬ


直｢…A｣








車の中での出来事が気まずくて、つい目をそらす。








直｢…隣座ってもいい？｣


A『…どうぞ』








3人がけ程のソファーに、並んで腰掛ける。


…なんか、





直｢なんか、あの日思い出すね｣


A『…私もそれ、思った』


直｢嬉しかったなぁ、Aが懐かしいって言ってくれた時｣








あの日、とは直人さんを取り戻しに行ったとき、
ソファーに座って昔の話をしたあの日のこと。







A『…直人さん、…ごめんなさい』


直｢ん？｣


A『…悲しませるようなことしちゃって、』


直｢…うん、そうだね。
あれ、せっかく敬語抜けたと思ったのに。
敬語やめてよ〜｣








ケラケラと笑って、何も無かったように話しかけてくる。









A『…うん』


直｢…Aはさ、本当に好きじゃないの？
彼のこと。｣


A『…彼って、大樹くん？』


直｢うん。本当は好きだったりして〜？｣

A『っいやそんな！』









確かに、好きだったことは事実。
大樹くんに抱き締められた時に、諦められない、と大樹くんに対する気持ちを忘れようとしてたのも、事実。


でも、今も好きか？と聞かれれば？それは違う。







直｢…ねえA、俺気付いちゃったんだけどさぁ、

Aって涼太のこと好きだよね？｣



A『っは？！？』








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