私の執事 【GENE】

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玲｢着きましたー降りてくださーい｣




ギアを操作して車のエンジンを切るレオさん。

ドアを開けてくれたりするのは漫画の中だけなのかぁ。





A『大きい…ですね』


玲｢そうですか？
あー、まあ、あの家と比べたら(笑)｣


A『悪かったですね、ボロアパートで』


玲｢お母様の旦那さんが所有している家っすよ。
でかいっすよね｣


A『…旦那さん？』





こんな性格のレオさんでも"お母様"って言うんだ。意外。

…っていうか私のお母さんはもう離婚してシングルマザーだよ。






玲｢あ、言うの忘れてた。
お母様のご結婚おめでとうございます。
お母様抜きになりますけど、今日はお祝いですね。｣


A『……え？』






お母さんが結婚？

どういうこと？





玲｢あれ、お母様が結婚相手と暮らすからAさんには旦那様から家をあげるって、聞いてない感じっすか？｣


A『…いや、聞いてた、知ってましたけど、…うん』







聞いてない。

結婚するのに、私が邪魔だったんだな。






玲｢それにしても凄いっすよね。
五十嵐ホールディングスの大富豪と結婚するなんて。｣


A『…ですね』


玲｢…さみぃ、早く行きましょ｣





と、スタスタ前を行くレオさん。

その背中を見て、私は足を動かせないでいた。




お金持ちと結婚したんだ。

家あげるからお前は付いてくるなってこと？



…お母さんの言うこと聞いてちゃんと生きてきたんだけどなぁ。



何がダメだったんだろう。







玲｢…早く行きますよ｣




さっきまで前を歩いていたレオさんは私のところに戻ってきていて、私の右手を引っ張って歩き出した。






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