私の執事 【GENE】

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A『、えっ、抜け出すってそんな』


岩｢見たくないものを無理に見る必要は無いし、
居たくない場所に無理にいる必要も無い。｣


A『でも、怒られちゃう』


岩｢その時は、俺も一緒に怒られます｣






岩田さんはしゃがんだまま私の目を見つめて、ニコリと微笑んだ。






岩｢だからほら、｣





岩田さんは立ち上がり、しゃがんだままの私に手を伸ばす。





岩｢一緒に怒られることしちゃいましょ｣






この手を掴んで立ち上がれば、この場から逃げられる。


どうせさっき走り出したことで怒られることは確定してるんだし、ちょっとくらい抜け出しちゃおうかな。



そんな考えが、頭に過(よ)ぎった。






岩｢ほら｣





考えてしゃがんだままでいると、岩田さんの方から手を掴み、立ち上がらせてくれた。





岩｢これで共犯、ですよ？｣






そう言ってまた爽やかに笑う岩田さんから、目が逸らせなかった。





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