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もちろんトイレに行きたかったわけやないから、洗面所でハンカチを持って亮が来るのを待っていると、知り合いに出くわした。
彼は、遊びに来ていた地元の友達がちょうど帰ったところだと言い『この後一緒に周らないか？』と誘ってきた
けど、俺には亮がおるし大倉とも一緒やから「せっかくやけど俺も友達が来てるから…」とやんわり断る
なのに…諦めてはくれない。
「その友達、紹介して」だとか「どういう友達？」だとか「俺も一緒じゃだめかな？」とか、とにかく矢継ぎ早に質問されて息つく暇もない
なんで？
…普段でも、そんな格段に仲良くしてるわけでもないし、どうかしたらこんなに長く喋ったのも初めてやのに…とにかくしつこい
あんまりにも熱心に誘うから途中からは、怖さまで感じてきて…『じゃあ、今度時間が合ったらカラオケにでも行かない？」っていう彼の言葉に二つ返事で答えるとやっと解放してもらえた。
な、なんやったん…？？
青「……こ、こわ、かった、、…なぁ？」
お腹をさすると、ひよこも怖かったんかキリキリキリッとおへその辺りが震えた
黄「…誰？今の」
青「あっ、…亮、、」
背後から現れた亮の姿が鏡に映る。軽やかに喋るトーンとは裏腹になんだかすこぶる機嫌が悪い…
亮は鏡ごしに俺の姿を頭のてっぺんからつま先まで検めると軽く睨みながらやって来て無言で手を洗う。
青「…はい、ハンカチ」
黄「なあ、だから、今の、だ・れ？」
青「…誰って、…おんなじクラスの子」
黄「それだけ？」
青「それだけやよ。」
黄「せやのに、カラオケとか行くんや」
キュッと蛇口を閉めると、目の前の鏡に映る俺を見る。
青「なんで？なんでちゃんとこっち向いてくれへんの？」
黄「質問に答えて。カラオケ、行くん？」
青「それは…方便って言うか、…行く気は…無い、よ？」
黄「嘘ついたんや」
青「…だって、怖かってんもん、、」
それは本心。けど、…なんぼ方便や言うても嘘を付くのはやっぱり気がひける。
俺は亮のために出したハンカチを握りしめ、俯いてしまうと
急にぐいっと顎を掴まれ
黄「………」
青「……りょ、お？」
やっと目を合わせてくれた亮に
青「…ふぁわ、ぁ、…んー、、」
キスされた
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作者名：青菜はやと
| 作者ホームページ：
作成日時：2017年12月3日 0時
