いろどるせかい (青黄緑橙) (ページ42)

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何故かしら、

緩めに湯がいてもらった年越しそばをちょっぴり食べて「良いお年を」って言うてた時も、

「あけましておめでとうございます」って言うてから、柔らかいきんとんや伊達巻を食べていた時も、

隣に亮がおった。

黄「おばちゃん、このおせちサイコー！美味しいし、嫌いなもんがなんにも無い！！」

喜んで箸を進める亮に事の顛末を聞くと、

「このおせちの中身、俺監修」って鼻を高くしてる。

青「へ！？」

黄「章ちゃんちに寄った時にさ、おばちゃん、おせちの事で悩んでるって言うからさ…」

詰めるもんを一緒に考えたんやて。

そういやおかあさん、「毎年お父さんも章大も『なんでもいい』って言うから困る」って、こぼしてたな…

青「それでか。なんかいつもに比べたら煮ものとか、魚が少ないと思った」

俺の体調のせいかと思いきや、そう言うことか。

しかも、お父さんは『アテが多いから気に入った』って亮を褒めてるし、おかあさんは『いつもより減りが早いから嬉しいわ』って喜んでるし…

もう、どっちが息子かわからへん！

けど…

青「ふふふ」

黄「どしたん？」

きんとんに栗入ってたん？当たり？って、そやないよ。

青「退院できて良かったわ」

みんなでお正月から食卓囲んでるんとか、すごいしあわせ。

黄「そら、ほんまやで。章ちゃんおらなんだら、この量３人はキツイもんね？おばちゃん」

青「え！？俺が退院してなくても来るつもりやったん？」

黄「そやよ？」

「え、なんでそんな事聞くん？」って不思議そうな顔してるけど、いやいや、そら違うやろ！

青「俺、そんなん、病院でひとりで年越しとか、仲間はずれみたいで寂しいやん！」

黄「ちゃんとお見舞いは行くつもりやったよ！」

青「ほんまにぃ！？」

黄「ほんまやし！！」

やいやいやいやい、箸持ったまま言い合いしてたら、おかあさんにペチンッ、ペチンッと順番に手を叩かれて『お行儀がよろしくないですよ、おふたりさん？』って怒られた。

黄「…はぁーい//」

青「ごめんなさーい…//」

ふたりで謝れば、

『あんたらホンマに兄弟みたいやね』って言われて…

顔を見合わせて笑った。