いろどるせかい (青黄緑橙) (ページ30)

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何故だろう。その時になって亮に手を引かれたのが最初じゃない事に気が付いた

あれは中２の冬。

丸と亮が付き合い出した後。

塾の先生に呼ばれた時、確かに、亮にギュッと手を握られ講師控室に行った…

あの頃は、亮と付き合うなんて考えてもみなかったな。

だって、俺らはソウルメイト。心の通い合った“友達”やって信じて疑わへんかったもん。何があっても離れられへんし、いつも一緒に居るんが当たり前なんは“友情”やって思ってた。だから、丸と仲良くしてる亮を見て嫉妬するんも「友達を取られたから」やと勘違いしてた

黄「章ちゃん？どうしたん？」

フードコートの入口で立ち止まる。

ここでも、懐かしい事を思い出した。

青「…あんな、食べたいもんがあるねん」

亮と一緒に食べたかった物…

黄「なになに？」

青「あそこのピザ」

黄「ピザ？そんなんでいいん！？」

青「うん。ハロウィン終わったからもうクリスマス仕様になってるはずやねん。それ食べたい」

黄「わかった。じゃ、章ちゃん、席取っといて？」

青「うん」

軽く手を挙げ、ピザ屋に向かう亮はメニューの写真見たら思い出すかな？

それ、俺の前で丸と食べてたやつやで？

…あん時、めっちゃ羨ましかってんから//

あ…、

ケータイが震えてる。メールや。

青「丸！」

橙【仲直り出来たんや。よかったね】

さっきの写メ見たんやな。

青【散髪作戦は失敗したけどね】

橙【マジで！？やっぱりマッチョ作戦の方が良かったかな？】

青【絶対イヤやし。でも、ま、色々ありましたけど丸様のおかげで元サヤです】

橙【なんや、つまらん。ケンカしたままで居ってくれたら、傷心の亮ちんかっさらいに行ったのにー】

もう、丸…。まだ、狙っとるん！？

橙【冗談やないよ～。それがイヤなら、もっと恋愛をしなさい！わからない事があったら僕がいつでもレクチャーしてあげるからね♡】

何言うてるん！？丸かてそんなに経験ないやん！

青【丸さ、医者になるんヤメて、人間学の方に進んだら？】

橙【ええー、だって僕には章ちゃんに赤ちゃん産ませたるって夢があるんやもん(笑)】

青「いや、いやいやいやいや、笑い事ちゃうから！！//」

てか、まだ言うてるん！？

橙【じゃ、0時回ったし僕寝るわ、おやすみー】

俺は「今日も寝不足になるんやないか」って不安になりながら、ケータイをカバンにしまった