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朝必至に探してたんは美容院。
初めてお世話になる予約サイトには、色んな店があって何がなんやらようわからんかったけど、なりたい自分に近付けてくれそうな店を見繕って予約しておいた。
それにしても…
青「可愛い店やなぁ…」
外観まで気にせんかったけど、大丈夫かなぁ…
いや、別に佇まいが散髪してくれるわけやないから、心配することはないと思うんやけど…
青「は、入りにくいよう(涙)」
何度となく「このまま逃げてしまおうか！」と思ったけど、それじゃあなんにもならない。
青「もー！！どうにでもなれ！」
気合いを入れ直すと一気にドアを開け中に入った！
そしたら、
あれよあれよと言う間に鏡台の前に座らされ、俺を担当してくれるって言うお姉さんが軽く自己紹介をしたら、いよいよ「今日はどうしましょう？」って。
…俺の緊張とは裏腹に拍子抜けしてしまうほど順調に事が流れて行き、これならうまく行くかもって確信が持てた。
青「あの…、その、…可愛らしさを脱却したいんです！男前にして下さい」
俺は、自分じゃ絶対に考え付かないフレーズを「これはお芝居だ。台詞を言ってるんだ」って心で念じながら、一気に吐き出した。
…このセリフを考えたんは丸。
橙『章ちゃんは可愛らしいから心配なんやろ？それやったら可愛さを引いたらええんやない？』
って言い出して。
じゃあどうしたらええん？ってなるやん？
そしたら、丸は、面白がって「マッチョになる？」とか「ヤンキーになる？」とかめちゃくちゃ言うてきたけど、手っ取り早く出来そうな散髪っちゅう作戦で手を打った。
担当さんは、俺の相談を聞くと一瞬クスッと笑ったけど「かしこまりました」って言うたら、いくつかのイメージを提案してくれた。
けど、やっぱり自分じゃよくわからないので、全てを任せることにした。
俺の未来を預けた担当さんは「お任せ下さい」って微笑むと、ざっくりクシを通してから、早速耳の上の髪をシャキンとカット…
え、
…そんなにいくん？
も、物凄い量切ったで…、、、
身体が硬直しそうなくらいドキドキしてたけど、ここまで来たらもうまな板の上の鯉。じっとしているしかない。
そのうちに…、
自分の顔をじっと見てるんにも飽きたし、心地よい空調と朝からの眠気も相まって知らぬ間にグッスリ眠っていた。
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作者名：青菜はやと
| 作者ホームページ：
作成日時：2017年12月3日 0時
