いろどるせかい (青黄緑橙) (ページ15)

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橙『ちょ、章ちゃん…、せっかくのFaceTimeやのに、コレ、何映ってるん？』

青「なにって、…ふでばこ？」

俺は、ちょうどテーブルに出してあったふでばこに向けてケータイを立て掛け、その後ろから喋りかけている。

橙『えー！…もう、旧友との再会やねんからちゃんと顔見せてや』

青「ええやん。別に、そんなオモロイ顔でもないし…//」

モゴモゴ濁して、顔出しを必死に拒否る。だって、絶対に泣き腫らした目ぇとか、見られたくないもん。

橙『ま、ええわ…けど、せめて次までには整形するか、可愛いぬいぐるみでも準備しといてや？』

次！？次とかあるん？

って、言うか、

青「なんなん、丸？…そんなおもんないアメリカンジョーク言うためにこんな夜中に電話してきたん？しかもFaceTimeとかお金かかるんちゃうん！？」

橙『あー、もう、散らかさんといて。えっと、まずは何？アメリカンジョーク？これは別にジョークやないよ？しかも僕が今居るんはアメリカやなくてバンクーバー』

いいよ、別にそんなん何処でも！

橙『それと、FaceTimeやったらWi-Fi経由やから心配ご無用。で、こっちは夜中やないよ。土曜日の９時。グッドモーニーング♪』

青「こっちは夜やの！」

橙『知ってるよ～。まぁ、そんなに怒りなさんなって。逆に怒りたいんはこっちやねんから』

青「え？…どういう事？」

俺、なんかしたっけ？

橙『おたくの彼氏の愚痴、僕、早朝５時から聞いてたんよ…』

青「え//！？あ、え？、亮？？」

橙『そ・う。亮ちん』

青「え、え？亮、なんて言うてたん！？」

ケータイをくるっとひっくり返したら、画面いっぱいに映し出されたんは、あのほんわかタヌキ顔。

ああ…順調に回復してるんやな。前に術後の写真見せてもらったけどその時よりふっくらとしてる。

橙『…ふふ、章ちゃん、酷い顔してんなぁ(笑)』

あ！？

あ！！

あっちの顔が見えてるって事はこっちの顔も見えてるんか！

青「もう！見やんで！！//」

ばふん！っと枕を投げつけると、ケータイはものの見事に床へ落ちた。