いろどるせかい (青黄緑橙) (ページ14)

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とぼとぼ歩いていても前には進むもんで、ちゃんと家が見える所までたどり着いていた。

俺はそこで最後の望みをかけ、顔を上げてみる。

けど、

青「…真っ暗」

窓に明かりが灯っていない事を目の当たりにするとため息が出た。

時間は遅いし、体調もイマイチ

青「…それに亮もいないし」

今日は実家に帰るのをヤメにして、家に上がり込んだらその足で湯船にお湯を張り身体を沈めて気を落ち着かせる

青「なんで帰ったんやろな、亮は…」

気分転換しようと思ったのに、モヤモヤは消える事なく溜まって行く一方。

青「なぁ、ひよこー、なんでやと思うー？」

俺はまた、お腹をさすって声をかける

おーい、ひよこー？

おーい、、、

青「……」

さっきまでは時折チクチクと暴れてたのに、今はうんもとすんとも言わない。

青「そもそも、ひよこが暴れるからあかんのやで？」

ペチン

横っ腹を叩くと

青「イテテテテ…、」

あーあ、なにやってるんやろ俺は。

最後にざぶざぶっと顔をゆすいだら、ヨシ！って気合いを入れて風呂を出る。そんで、乾燥機にかけてたふわっふわのバスタオルで身体を拭いて、あったかい牛乳を飲んだら…少しは心のささくれが取れたかも。

青「はぁー」

俺って単純…(苦笑)

けど、しゃーないやん？なんでやろうってひとりで悩んでも答えが出ないのはわかったし、

相談したくても大倉には甘えられないし、

…亮に直接聞いてみる勇気もない。

こうなったら今日はケータイを遠ざけて、なるべく何にも考えないようにして、眠ろう。

眠ってまずは身体を休めよう。

俺は簡単に髪を乾かすと、相変わらず亮の匂いがする布団にくるまり「おやすみ！」って言うて目を閉じた。

青「寝られへん…(涙)」

学校で寝過ぎたなぁ…、、

…今、何時やろ

ケータイ、ケータイ

ん？

震えてる？

え、着信してる？？

こんな夜中に誰よ！？

…誰よ、って、

亮、しかおらんのちゃうん？？

イヤや…出たない。

青「けど、とりあえず…」

身体を伸ばしてかろうじて届く所にほり投げていたケータイを手に取り時間を確認…するフリをして、画面に映し出される名前をチラ見。

青「あれ！？」

亮やない！

俺はその事にビックリしたんやない。

『タヌキ』

って名前が出ている事にビックリした。