48 ページ48
◇
『僕は何しに来たんやろ…』
そう言うた丸の見送りに空港へやって来て居た。
あれから１週間とちょっと。短い間やったけど４人で思う存分遊ぶ事が出来た。
黄「何しにて、御墓参りやろ？」
緑「いや、違うよ。恋のキューピットとして、はるばる海を越えて来たんよ」
丸は、「ほんまごくろーさんやわ、僕」って無邪気に笑って見せるけど、やっぱり日本の夏は堪えるんか「ちょっと休憩〜」言うたら、ロビーのソファーに腰掛けてしまった。
橙「亮ちん、お茶買って来てくれへん？」
黄「ええで！」
ちょっと待っててや〜って言うて、売店に走り出す亮。
橙「さて、章ちゃん」
青「？」
橙「亮ちんに告白される前に、大倉の気持ち聞いてくれたやんな？」
青「え、なんで知ってるん？」
あの時にはまだ、丸も亮もおらんかったはず…
橙「実は、大倉には先に相談してたんや。亮ちんに告白させるけど、大倉は章ちゃんへの気持ちどうなんや？って」
青「大倉…」
緑「…へへ」
相変わらず、仏さんみたいな微笑みで俺に笑いかけてくれてる。
橙「大倉、章ちゃんの事、大好きやもんな…相当我慢してると思うで？」
緑「いや…それは…もう、ちゃんとケジメつけた」
青「……」
だから、あの時、時計見てたん？
丸達が来るまでに、済ませておこうって。
橙「あーあ。僕も大倉も、苦労するな…」
緑「…せやね」
って、事は…なに？
青「丸、もしかして、まだ亮の事…」
黄「はーい、おまたせー。緑茶4本〜！」
もう、タイミング悪すぎ！どうかしたら、一番聞きたかった事やのに！
プンスカ怒りながら亮に詰め寄ると、丸が乗る飛行機のアナウンスが流れ出した。
橙「あ、…行かな」
よっこいしょと立ち上がると、亮から受け取ったお茶を、ほんのちょっぴり口に含み、喉をうるおす。
黄「丸、手術頑張ってな」
橙「頑張るんは僕やないよ、先生やもん」
黄「そうやけど…」
橙「亮ちゃんこそ、頑張らんとあかんで」
黄「何を？」
橙「コレや。章ちゃん、まだまだ苦労が絶えんかもよ？釣った魚には餌やらんみたいやで？」
青「ま、そしたら、丸に返すわ」
緑「そしたら、俺、またやすにアタックしよ」
黄「ええ！？」
みんなに責められてタジタジの亮と、
それを見て笑ってる俺ら。
…そう言えば
いつか絵馬に書いたな
【早く皆で揃って笑えますよう】にって
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 448人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：青菜はやと
| 作者ホームページ：
作成日時：2017年7月30日 0時
