ひろがるせかい (青黄緑橙) (ページ31)

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緑「休みの日にはがっつり机に向かって勉強するぞって意気込んどってん。せやけど、そんなんで、あちこちに呼び出されて、なんも手ぇ付けられへん。人の勉強のために労力使ってヘトヘトになったら、もう、すぐに日曜日の夕方になってて…。せめてもの気分転換にって、やすん所に電話掛けたりしてたんやけど、やす、いっつも何かやりながらで、上の空やねんもん」

あ…

あの、電話って、そういうタイミングやったんか…

青「ご、ごめん、大倉」

緑「あやまらんで。俺が勝手にした事やねんもん。それに俺、やすが週末には亮ちゃんと会ってるん知っててん。やから…きっと別れたばっかりの亮ちゃんの事考えてるんかな？って、嫉妬してみたり…」

青「し、嫉妬！？」

緑「……」

大倉は泣きそうな顔で、

それでも涙は溢さず、

緑「俺、だって、まだやすの事、諦められへんねんもん！」

って、

そう言いながら、俺の事をベッドに押し倒した…

ーああ、なんやろうこの感じ…覚えがある。

あ、

初詣の時や…

大倉に抱きしめられて、好きやって言われて、

ごめんって言うたな…

青「お、…くら///」

緑「ちょっとだけ。このままで居させて」

青「や、でも！」

緑「…大きい声出したかて、外には聞こえへんよ。あのバカ騒ぎにかき消されるんやから」

馬乗りになって、俺の肩に自分の顔を埋める大倉は、それでも全部の体重がかからないように、片膝は立ててくれてる。

そんな…

そんな優しくされても、

大倉の気持ちに応えることはできない。

…意気地なしの俺は、大倉の事を信じて、じっとしてるしかなかった。