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自分の胸を痛いくらいにギュッと掴んでる手を、向かい合って座ってる大倉がそっと触れて離す様に促した。
緑「一緒に居れんもんな、寂しいよな」
青「………さ、寂しくはない、けど」
こんな事、大倉に話していいもんか悪いもんか…でも、今まで胸の中にしまって１人で鬱々と考えていた事について、面倒がらずに聞いてくれるんやと思うと後から後からいろんな事が溢れ出す。
青「なんか、亮、高校に入ってから会う度に変わってるねん。どんどん俺の知らん亮になって行くねん」
緑「うん、…うん」
青「俺、それが嫌で嫌で仕方ないん！」
緑「けどさ、今までの亮ちゃんのままではおれんやん？」
青「そら、そうやけど…」
緑「これ以上亮ちゃんが成長せんようにって時間でも止めてみる？それか、大きい冷蔵庫に押し込めて冷凍保存でもしてみる？」
青「そ、それは…」
緑「そんなん出来んよな？…そしたらさ、もう、その時その時に亮ちゃんに聞くしかないんやないん？何があったん？どうしたん？って。ほんで新しい亮ちゃんを知ってったらいいんやない？」
え…
緑「そんで、やすも、こんな事あったよ、あんな事あったよって教えてあげたら？」
青「亮に？」
緑「うん」
青「そんなん…亮は俺の新しい事なんかに興味あるんやろか」
氷が溶けきって薄くなった炭酸に口をつけると、俯いてしまう
緑「あるに決まってるやん」
噛みしめるようにそう言うたら、「な？」って微笑んでくれて俺が顔を上げるんを待ってくれてる。
緑「ソウルメイトやねんやろ？離れられへんねやろ？立ち止まってたらどんどん置いていかれてまうよ？それでええん？」
青「嫌や！」
緑「やろ？…簡単なことやん。お互い、離れてる日々の中で新しい事を発見してさ、それを相手に教えたるねん。ほんで、これが大事やねんけどな」
青「なに？」
緑「嬉しいことは嬉しい。嫌なことは嫌って素直に言うん。それだけ。遠慮したり隠し事してたらうまく行くもんもいかんよ？」
青「大倉…」
緑「な、考えただけで楽しそうやない？２人分、いろんな事を耳に出来るんやで？」
…………
青「ふふふ」
…大倉の声が、薬みたいに身体の中を駆け巡ったら、
すーっと、優しい気持ちになった。
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作者名：青菜はやと
| 作者ホームページ：
作成日時：2017年7月30日 0時
