ひろがるせかい (青黄緑橙) (ページ21)

今日:30 hit、昨日:2 hit、合計:225,102 hit

21 ページ21

亮は今通ってる学校に落ちた。

一生懸命頑張ってたんを知ってるから、そりゃ胸も傷めたけど、それ以上に滑り止めで受かってたんが俺の今の学校やったから「ああ、やっぱり俺らは離れられへんのか」って、変な自信がついてしまった。

それなのに…

蓋を開けたら、亮は補欠入学が決まって、

やっぱり別々の高校に通う事になって…。

…そら、そんなん、初めからわかってた事やよ？だって、亮が狙ってた学校って、俺の学力じゃ到底太刀打ち出来んようなトコやったもん。誰のせいでもない。ついて行けんかった俺のせいや。

な？わかってるやろ？…わかってたやろ？

けど！

…一瞬でも夢を見てしまった後の絶望はめちゃめちゃ深かった。

『また亮と一緒に通えるなら、なんぼ通学が大変や言うても我慢出来るし、寧ろ、楽しみや！』なんて…ホンマ、嬉しくて仕方がなったもん。

入学説明会の帰りに、

「ああ、この長い道のりを３年間、１人で通うんか」って考えたら嫌で嫌でたまらんくなった。

それに、実家におったら、楽しそうに学校に行く亮に会ってしまうかもしれん。

何よりそれが嫌やった。

俺の知らない人と居る亮、

俺の知らない事で笑ってる亮、

俺がおらんでもへっちゃらな亮。

…そんなん絶対に見たく無かったから

それなら、いっそ…

『知らずに居られる遠くへ逃げてしまおう』

って、

そう考えた。