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家から離れて街中に出ると、さっきまでの焦りや不安は嘘のように消えて無くなり、亮との初めての買い物を満喫していた
黄「なあ、章ちゃん、このTシャツ、どうよ？」
青「なんか、ハデやない？…てか、学校にTシャツってアリなん？」
黄「アリ、アリ。ちゃんとするときだけは指定の制服着用やねんけど、ズボンさえ制服履いてたら後は基本何でもOK」
青「へー、さすが偏差値の高い公立は自由やなあ」
生徒の自主性に任せといても、無茶苦茶するヤツとかおらんねやろな。
青「せやけど、そのシャツは…ないわ」
黄「そうかな？女子ウケ良さそうーと思ってんけど」
じょ、女子ウケ！？
黄「…なんよ、ギョッとして。なんか変な事言うた？」
女子ウケ…
青「い、いや、…やっぱりそれはオススメせんなーと思って」
黄「そう？じゃあさ、章ちゃん選んでみてや？俺に似合いそうなやつ」
青「あ、うん、ええよ。ちょっと物色してみるな」
これはチャンス。
亮から離れてなるべく遠くの棚に移動する。
…え、なんて？
女子ウケ？
ナニソレ？？
中学ん時にはそんなんなかったやん。
むしろ、女子とかはアウトオブ眼中。
…別に亮や俺が特別硬派やったわけでもなく、クラス中が、学校中がそないやなかった？
それに、中学って、それでなくても色々と忙しいかったし、そんなの、よっぽど興味が無ければ構ってられない。
眉を整えるようになった亮。
背が伸びた亮。
服選びに時間をかける亮。
一度胸に引っかかると、気になってしょうがない…
確実に変わっていく亮を目の前にして、薄れていく関係に焦りを感じる。
どこにも行かんとって、
中学ん時のままでおって。
そんで「俺らソウルメイトやんな」っていつまでも言って！
遠くに見える亮の背中に向かって俺は、一生懸命そう唱えてみた
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作者名：青菜はやと
| 作者ホームページ：
作成日時：2017年7月30日 0時
