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「遅い」
仁王立ちのおかあさんの手には洗濯物があって
「はい、これ持つ」
「？」
渡されたのは、僕のシャツ。
おかあさんも同じようなシャツをカゴから掴んで取り出して
「まず、軽く引っ張って…、小さくたたんで」
パンパンパンパンパンッ！
「こうやって叩いてシワを伸ばすんや。そしたら、しわくちゃにならんでキレイに乾くからな」
「ふぅーん」
「ふぅーん。ちゃうで、ほら、やってみ」
「え？あ、えーっと、、、」
「ちゃんと聞いてたか？！たたんで…」
「ああ…、えっと」
まさかやってみろって言われるとは思わんかったから、ボーッと聞いてたのが仇になって。ヤイヤイ言われながら一枚仕上げたところで、
「もう、クタクター！」
「何言うてるん？春からは全部自分でやらなあかんのやで？！」
「そら、そーやけど…」
大倉んちには乾燥機あるし、コンシェルジュさんに電話したらクリーニング屋さんが来てくれるんよ？…とも言えず。続けて渡された長Tを見よう見まねでパンパンッ
「…ほんまに。こんなんが一人暮らしやなんて大丈夫なんかいな」
「大丈夫。…たぶん///」
「たぶん、じゃ困るんやで？火の元や防犯ももちろんやけど、初めて会う人ばっかりのところに行くねんから、挨拶と身嗜みには特に気をつけなあかんのやで」
「うん…、わかってる」
「ほんまにわかってるんかいな。頼むし、しわくちゃの服で学校行ったりしやんでや？」
「せーへんよ！」
「ほら、次はタオルやるで。タオルはまず、20回くらい振るんよ。そしたら…、、、」
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作者名：青菜はやと
| 作者ホームページ：
作成日時：2019年10月27日 21時
