くらさんとやすこちゃん

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ふたりが出会ったのは小学校の入学式。



たぁくんが親と離れてドキドキしながら教室に入った時、ひとりだけ知らない女の子が座っていて…それが安子だった。



後の自己紹介でわかったことだが、親の転勤で遠くから引っ越してきた安子は、自分が知っている同級生とは全く違う雰囲気で…



緑(こんなに可愛い子、初めて見たかも…///)



たぁくんは一瞬にして恋に落ち、安子が転校するまで一途に好きでいたし、転校した後もずっと忘れられずにいた。



東京の大学を選んだのだって、安子を探す為だ。

　

なのに…



思い返すと小学校での出来事はほろ苦いものばかり。



小学生特有の照れ臭さで安子にちょっかいばかりかけていて、さっき口にした「ノッポ！」だって、ある日を境にどんどん背が伸びていった安子が遂に自分を追い抜いた時に悔し紛れで付けたあだ名だ



緑『よぉ、ノッポ！女のくせに、今日もノッポやな！』



なんて残獄なコトバを浴びせてたんやろ。普通の女の子やったら、傷ついて、不登校になってもおかしくない。



けど、安子は違った



安『ノッポっていいんだよぉ〜。遠くまで見えるし、高いところの荷物だって楽々取れちゃう♪』



なんでもポジティブシンキングな安子は、いじめ甲斐のない子で



安『逆にたぁくんは、ちっちゃくてなんか良いことある？安子わかんないから教えて♪』



こんな事を屈託のない笑顔で言うもんだから、ふっかけたたぁくんのほうが頭にきて



緑『う、うるっせー、ノッポ！///』



安『はいはい、ノッポです😊』



こんな事がしょっちゅうだった。



　
　

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