・ ページ28
青「………」
ペンが当たったドアを撫でる章ちゃん
黄「………」
なんか言わんとあかんのに、腹の底から湧いてくる熱くて黒いモンが呼吸のたびに鼻から出て行くばっかりで、口が開かない
そんな俺に近づいて来た章ちゃんは
青「歯ぁ、くいしばり」
黄「？」
ペシッ！
黄「イッタ！！」
ビンタされた！！
あんまりにも突然な事にビックリして叩かれた所触りながら顔を上げると
青「…今のはやったらあかん事やな」
目はメチャクチャ怒ってるけど、声はいつものまま。拾って来た先のひゃげたペンを握らされ
青「ドアもペンも痛いって言うてるで」
黄「………」
俺は怒られてる最中やのに、こういう言い回しは章ちゃんやなって感心してまう
青「それに」
一度ゆっくり瞬きをすると、目が柔らかくなって
青「亮のココも痛くなるやろ？」
そう言って撫でられたんは、ビンタくらったほっぺたやなくて、胸
章ちゃんは逆の手では自分の胸押さえて
青「僕かてそんな亮見たらココが痛くなってまうから。もう、やったらあかんで？」
…章ちゃんのあったかい手は解毒効果がハンパない。さっきまではあんなに重かった呼吸もスッと軽くなる
黄「しょ、ちゃん…」
やっと開いた口で章ちゃんを呼んだら、なんでか一筋涙が溢れた
青「ふふふ」
人差し指でその涙を救って、俺の前の席に座って笑ってる
青「よっぽど悔しかったんやろ？」
黄「……だって、俺は俺やのに、兄貴兄貴って、章ちゃんが出来る事は俺かて出来なおかしいと思ってんねんもん」
青「あー、それあるなぁ」
黄「え、章ちゃんも？」
青「うん。僕かて『弟は上手やのにね』って言われて困った事あるモン(苦笑)」
黄「…」
青「でもさ、２人でおんなじ事出来るより、お互いに得意なことがあって相手を補えるんが双子の醍醐味やと思うねん」
黄「…章ちゃん」
青「人は色々言うけどさ、せっかくやし、双子なんを楽しも？な？」
黄「……うん」
青「で、亮？」
黄「はい？」
青「その問題どうする？」
黄「…自力でやってみる。けど、そこに居って？」
青「ふふ。わかった」
窓の外を眺めながら、邪魔にならないように風景に溶け込んでる章ちゃん
俺は、他の物音が一切気にならないくらいに集中して問題に向き合うと
黄「あれ？」
なんで出来へんかったんやろ…
不思議なくらいスルッと答えが出た
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 519人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「関ジャニ∞」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：青菜はやと
| 作者ホームページ：
作成日時：2018年5月20日 13時
