wonderful×3 (vol.2) (ページ36)

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橙side

『双子が出掛けに付いてくる言い出して出発が遅れました。駅前公園の駐車場に車入れるから近くの店にでも入って待ってて～おかん』

橙「やって」

さすがに電車の中では通話出来へんから、メールにしてもらって降りたホームで内容を確認した

赤「なにをしとんねん、双子は…」

橙「はよう、すばるくんに会いたいんやない？」

章ちゃんは大事なもん預けてるし、亮ちゃんはパパラブやし

赤「……、なあ、まる？」

橙「？」

赤「…急に重たなったし、隆寝てないか？」

すばるくんの背後に回って肩口に埋もれている息子の顔を確認すると…確かに、よう寝てはる

橙「ほんまや。初めての飛行機や言うて大はしゃぎしてたから疲れたんやな」

赤「せやから、初めてやないて何回も言うたのに、信じよらへんし！」

俺、写真まで見せたんに！て

しゃーないわ。

隆が初めて飛行機乗ったんて５か月になるかならんかやったもん

すばるくんの就職が決まった福岡に引っ越す時…

橙「あの時は怖かったな…」

赤「隆の鼓膜が破けたらどうしよ！この中にお医者様は乗ってるんですか？言うてＣＡに『大丈夫ですよ～』言われてたな」

橙「当の本人ケロリとしてたけどな…」

赤「そらそうやで、飲みもんも遊ぶもんも貰ってＣＡにはチヤホヤされて、男にとっては夢のようなヒトトキやないかい！？」

それを忘れるとは一生の不覚や！…言うてはる

橙「とにかく、隆重たいやろし、どっかお店入ってお茶でもしよ？」

赤「…それやったら、俺、行きたいとこあるんやけど付き合ってくれるか？」

橙「別にかまへんけど？」

ほならまずコンビニや！言うすばるくんの後をキャリーケース転がしながら付いて行った