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昨日あれから家に帰ると、引っ越しはすっかり終わっていて、家中に運び込まれたダンボールもひとつ残らず無くなっていた
それなのにお父さんとママはパーティーに出たって言うし、
倉「一体誰が片付けたんだろう…」
冷静に考えるとちょっと怖い
ぐるっと自分の部屋を見渡す…
ママが、贔屓にしている芸術家の卵に作らせた薔薇の形の壁掛けには、確かに私のランドセルと制服が掛かっている。
けど…
新しいベッド、
新しい勉強机、
新しい棚に、新しいラグ。
カーテンやスリッパだって新品で、
ココは一体誰の部屋？
小さい頃から遊んでいたぬいぐるみや、大好きだった絵本はどこに行ったの？
倉「あーあぁ」
ベッドに横になって考えてみる
ここに引っ越すって最初に聞いたのはいつだっけ？
幼稚舎は卒園していたから、初等科に上がってからよね
ドライブがてらココに来た時にはまだ更地で。こんなに背の高いマンションが建つだなんて思いもしなかった
しかも、そのマンションの最上階で暮らすなんて
「お父さんのステイタスは上がるし、ママは敷地内で思う存分趣味や習い事に没頭できる。倉子だって学校が近くなるんだから、いいことばかりだ。」
そう聞いてたのに、実際引っ越してみると何も変わってない気がする。
倉「それどころか、厄介ごとが増えてるし」
これって「方角が悪い」ってやつなんじゃないの？
倉「うーーん」
ゴロンと寝返りをうった拍子に柔らかいお花の匂いが鼻をくすぐる
あ…
昨日のハンカチ
コレって…、、、ラッキーアイテムになったりしないかな？
そうだ！！
倉「ママー！お洗濯の仕方と、アイロンのあてかた教えて！」
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作者名：青菜はやと
| 作者ホームページ：
作成日時：2017年5月27日 1時
