ﾊｲﾀﾜｰｷｬﾝﾃﾞｨｰﾏﾝｼｮﾝ-JS (ページ2)

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『『嘘だー！』』

教室中に響き渡る声

始めは３人だけでお喋りしてたのに、なぜかこういう話には皆敏感で。すぐに人が寄って来た

『なんの話？』

『倉子ちゃん明日あのタワマンのてっぺんに引っ越すんだって』

『え？あそこって高いんでしょ？億ションっていうんだよね？』

『倉子ちゃんち、お金持ちなの？』

『そう言えば倉子ちゃんのお父さんって何してる人？日曜参観にも来なかったじゃん？』

倉「会社に行ってたから来れなかっただけよ」

『会社？サラリーマン？』

違う。

パパは社長だもん！

でも、口外しない約束だから言えないし…

倉「ホントに引っ越すんだもん」

『あ、ごまかした』

倉「ごまかしてなんかない！」

『ならさ、みんなで遊びに行ったらいいじゃん？』

倉「ダメよ！」

『なんで！？』

倉「決まった人しか敷地内に入れないし、友達だって一度にたくさんはムリなの」

『それ知ってる！テレビで見たけど、柵がしてあって変な人が入らないようにガードしてるんだよね？』

『私も見た！柵の中が街になってて、住んでる人だけが使える公園とかお店とか病院があるんだよね？』

『公園？！…やっぱ、俺行ってみたい！』

『バカね！秘密の街みたいで気持ち悪いじゃない』

『だって決まった人しか入れないなら空いてるじゃん？一度にたくさんが無理なら順番にしようぜ！』

意気投合して勝手に順番を決めてる男子と、

ＣＭ見て一度行って見たかったんだよね～って言い出す女子

ああ、みんな、ハチみたいにぶんぶんぶんぶん、うるさい、うるさい！

先『静かに！チャイムはとっくに鳴りましたよ』

『あ、先生！』

先『何の騒ぎ？また倉子さんなの？』

また？

倉「…知りません。勝手にみんなが騒いでるだけです」

『騒いでませーん、倉子んちに行く順番決めてただけでーす』

倉「もう！だから決めたってうちには呼ばないから！」

『呼ばないんじゃなくて、呼べないんじゃん？』

『やっぱり嘘なの？』

倉「だから、違うって！」

先『ハイハイ、わかったから。倉子さんも席に着きなさい』

倉「それこそ嘘よ！誰も何もわかってなんかないじゃない！みんな大っ嫌い！」

私は、自分のランドセルをひっつかむと、振り返りもせず教室から飛び出した

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