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そろっと地面に降ろされて、おっかなびっくり脚をつける。
やすくんちにお世話になってから、ちょっとずつおうちの周りのお散歩は練習してたけど、それはもちろん舗装されたキレイな道で、こんな本格的に広々とした土の上を歩くのは初めて
青「大丈夫そうか?プルプルしてるけど」
うん、だ、大丈夫。
『ウゥ………、』
青「はは。よしよし。いつもと違うから戸惑うな?」
うん…、いつもより柔らかくて、冷たくて、…変な感じ〜!
青「そしたら…、まだ人も少ないし、ココ散歩オッケーな公園やから、リードせんわ。好きなだけ動いて慣れたらいいで?」
わ、ホントに?やったー♡
『キャン!』
青「ふふ。そのかわり、他のワンちゃんとか、お散歩してる人に突進して行ったらあかんよ?」
『キャン』
青「後、…おーくら見つけたら、連絡な?///」
『キャン、キャン!』
青「よし、じゃあ、行こう!」
わーい♡
広い、広い公園〜!あたしはあたしの脚でどこまでも、どこへだって駆けて行ける!!
クルッと振り返れば、ふわふわ笑ってるやすくんが愛おしそうにこっちを見てくれてるし、
『キャン!キャンキャン!!』
あたし、しあわせー♡
青「はは、慣れてきたか?めっちゃ楽しそうやなぁ!…そしたら、、、」
やすくんは下げてた小さいカバンから何かを取り出すと、ポーンと投げてよこした。
あ、ボールだ♡
『キャンキャンキャンー!』
あたしはテンテンと転がるそれを追いかけて行って口に咥えたら、踵を返してやすくんの所に運んでゆく
青『あは!上手、上手!…よっしゃ、そしたら、もう一回投げるで?それー!』
青空に弧を描いて飛んで行くボール
『キャン!キャン!!』
待て待て待てー♡
…ああ、、、すごい。自分で動けるってホントにすごい。楽しい、楽しすぎるようー!
あたしは何度もやすくんの元へボールを運んで行き、やすくんは何度もボールを投げてくれる
青「元気やなぁ!疲れへんの?」
『キャン♪』
青「はは。ゴメン、俺がバテたわ。ちょっと水飲ませてな?」
やすくんはペットボトルの水を煽ると、あたしにも「どうぞ」って手のひらで受けた水をくれる
んぐっ、んぐ、んぐ。………ん?
やすくん、
垣根のずっと向こうから走ってくる人…
あれって、おーくらくんじゃないかしら!?
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作者名:青菜はやと | 作者ホームページ:
作成日時:2018年1月7日 16時