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萎えた。
こんな女、相手にしてても俺の暇つぶしにはならん。見切りをつけて腰を上げようかとも思ったが、ひとつ気になることがある。
「ソレ、何見てんねん」
パソコンの画面に目を走らせては眉を寄せ、ため息をついて涙をこぼしていたから。
『コレに、届くんです』
誹謗中傷が。
「…まさか、匿名？」
『はい。どこの誰だかわかりません。言い逃げです。それが悔しいんです。私にダメな所があるのなら、甘んじて聞きます。むしろ教えて頂きたいくらいです。けど、応援して下さる方の誹謗中傷は許せないし、目に触れて欲しくないんです。…だから、、、』
こんなシケタ所で夜な夜な削除して回っている、と。
「なるほどねぇ♪」
ヒュ〜。
…オモシロクナッテキタ。
『？？』
「終わらせたろ」
『えっと…、それはどういう？？』
「だから、俺がそのナナシノゴンベを追ったるっちゅーとんねん」
『そ、そんな事が出来るんですか？！』
ほら、目が輝いた。と、同時に訝しんでもいるが
「こう見えてもそっち係には詳しいから相手特定するなんて朝飯前や」
『……、、、』
「それとも、さっきはああ言ってたけどやっぱり怖いか？卑怯者に腹を立てつつも、創作の時間を割いて削除活動に勤しむんか？」
『それは…』
「守りたいんやろ、応援してくれる人を」
『それは、ハイ！』
「ええ返事やん♪気に入った」
『？？』
俺は、今度こそ立ち上がるとそのノートパソコンを乱暴に取り上げる
『あっ…』
「ただし、俺もタダでする気は無い」
『お金、…ですか？』
「そんなもんいらん。…そうやな、、、目。お前のその片目を貰う」
『え？』
あんなに綺麗なモノが描ける目でこの腐った世の中を眺めたらどんな景色に見えるのか、…ソレが知りたい
俺は金網の前に揃えてあるパンプスに目線を向けながら
「イノチよりかはマシやろ。…そうやな、、次の新月の夜にまたココに来い」
俺は無理矢理パスワードを聞き出すと、二段飛ばしで螺旋階段を降りた
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作者名：青菜はやと
| 作者ホームページ：
作成日時：2018年10月5日 22時
