8UPPERSのセカイ（eight） (ページ3)

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「ホンマの名前はなんなん？」

『……、、、』

「ふんっ、…ま、別にいいわ」

俺はもう一本タバコに手を掛け…、けど、その時、その娘が…、リョウが控えめにだが顔を背けるのに気付いて、箱ごとグシャリと潰して後ろに投げ捨てた。

「あーあ。唯一の暇つぶしも無くなった。どうしてくれるん？相手してくれるん？」

『え…、でも、…その、、、』

狼狽えてはいるけど、パソコンは相変わらず開いたままやし、リュックを掴む素振りもない。

なんや、自分かて俺に興味あんねんやんけ。

「なあ、名前とかもうどうでもいいし、なんで泣いてたんか教えろや」

キツめに言うと、慌てながら必死に涙を拭き始めるけど、そんなんしても許さへんし

「教えろっ」

ハンカチを取り上げてそれも投げ捨てるけど、まだ言わへんから

「…次はお前をそこからほうり投げんぞ」

役に立たなさそうな有刺鉄線が張られた金網を顎で指すと

…やっと話し出した。

「…ふうん。」

はじめは全く興味のない話が続いた。

リョウは絵描き。そんな大それたモンではないと謙遜しつつも「最近では応援してくれる人も増えてやっと軌道に乗って来たんです」って何枚かの絵を見せてくれて、その間は笑顔になった。が…、

直ぐに表情は曇り、また無口になってパソコンに目を落とす

「…続き話せ」

まだ終わりやないやろ

『………、、、』

「続き！」

『あ、…はい！！(涙)』

きっとここからがオタノシミ。期待に胸をふくらませて耳を傾けたのに、更にくだらない事を言い出した。

『人のために泣いてる』って。

…どこのセカイでも出るクギは打たれるのか、作品が世に出だしたと同時に批判も届くハメになり、、、

ま、そこまではヨシとしよう。それで泣くのもアリっちゃアリやろう。

だか、リョウは自分の批判よりも応援してくれてる人が誹謗中傷されることに心を痛めて泣いていると言う

正直、俺には意味がわからない…