8UPPERSのセカイ（eight） (ページ12)

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ピクニックとは程遠い。

ただ前を向いて黙々とサンドイッチを胃に収める作業をしているだけ。「…これじゃあなんの意味もなかったな」って、ため息をついていると

「あ…、」

「どしたトッポ？」

なんか見つけたんか？

「アレ…」

口の横に玉子をつけたまま、一点を見つめるその先には、いかにもなマジシャン風の男と、風船を配っている小さなピエロ

「お、大道芸でも始まるんやないか？」

「大道芸…//」

「気になるんやったら前まで行って見て来てもええで？」

まあ、そういうても行かへんのやろうけど

「…じゃ、ちょっと行ってくる」

「へ？」

「見てみたい…」

「あ、うんうん。行って来い行って来い。ここで待ってたるからな！」

口の周りを拭いながら「うん」って頷いたトッポは靴を履くとかかとを踏んだまま嬉々として駆けて行き、

それを見ていたジョニーも、口の中のモノをコーヒーで流し込むと徐に立ち上がり、ゆっくりとトッポを追いかけて後ろに立つ。…ボディーガードのつもりなんやろか？

…けど、ま、なんにせよ、こういうごく普通の日常生活に馴染んでるん…めっちゃええやん！

そら、輪になって観ている他の人からは、まだ何歩も後ろに居る状況やけど、…背伸びして興味持って見てるやん///

そのうち、トッポがジョニーに向かってあははって笑って…、

なんか、幸せな光景やな//

なんて思ったのも束の間。

爪でガラスを引っかくような、若い女特有の不快な笑い声でその場が凍る。

『ちょー、ウケる！大人のくせに、口開けて見てんじゃねーよ！』

絵に描いたようなコギャルに絡まれてるのは…

トッポ。

「………////」

トッポは突然の事に、何が起こっているのか理解出来ない表情を浮かべている。

それがコギャルの気に触るのか、尚も馬鹿にして罵る…

あの耳障りな声で…。

…せっかく楽しんでたのに、、、

こら、ちょっとお灸が必要かもな…。