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「これはこれは、ポートマフィアの
「うふふ、妖精さんだなんて。ポートマフィアの
相手の目が鋭く光る。
裏切り者といえど、ポートマフィアの一員だった人間。
油断はできません。
いえ、油断した方が良いのでしょうか…!
「先にお聞きしておきましょう。…貴女の様な少女が、何故マフィアにいるのです?」
「…死を求めて。私は死を求めています。」
「ほう…、死を求めて…。これはまた珍しいお方だ。死を求む程の何かがおありで?」
「…私は…、元は一般人でした。普通の、良くある家庭、教育環境。ですが…」
私は、異能力者でした。
それに気付いたのは僅か5歳です。
異能力の制御も出来ず、ただ両親に泣いて抱き着いていました。
…まあ、ただ白い花が手に咲くだけだったんですが。それでも私には怖い体験です。
両親は私の花を見て、綺麗な花、と褒めてくれました。
それでまた、幼稚園に通い出したんです。
……それですぐ、異能力の暴走が起きるなんて、予測も出来ない事でしたよ。
その白い花が更に伸びて、育って、青くて鋭い針を伸ばすんです。
それはとても痛くて。痛くて。
友達も、先生も、迎えに来てくれた両親も、
白い花が真っ赤になるくらいになって。
……ただ一人だけを残して、全員死にました。
泣きましたよ、正直。白い花を残したまま、大泣きです。でも生き残ったその子は、大丈夫って慰めてくれて。
とっても優しかったんですよ?
私はその子と暮らしました。お互いに両親がいなくて、その子の親戚が食べ物を投げ入れに来る以外二人っきりです。
…幸せに暮らしていた、ある日。
天井から、ガタガタと音が聞こえました。
なんだろうと思って上を見ると、
眩しい閃光が視界を埋め尽くしました。
閃光弾です。
その光を見た後、なにかに抱えられる感触がしました。そして、あの子に手を伸ばしました。
届くはずもなかったんですけどね。
私は「綺麗な光だ。」という言葉を聞いて、眠りにつきました。
…ああ、周りの人は皆死んでしまった。
独りぼっちになってしまった。
私も皆に、あの子に、貴方についていきたい。
それからです。
死を求めるようになったのは。
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山鶴月@草神茜羽(プロフ) - 完結おめでとうございます!前作から来たのですが、題名から内容から全部私の好きだなぁと思うものでした!これからも頑張って下さい! (2017年4月16日 20時) (レス) id: 4b4488fab6 (このIDを非表示/違反報告)
As.@暇潰生活(プロフ) - 猫になりたいさん» 好み…ですと!?お褒め頂きありがとうございます!私の事ですからまた懲りずに書きそうです(笑)応援ありがとうございました!! (2017年4月16日 20時) (レス) id: 720431c454 (このIDを非表示/違反報告)
猫になりたい(プロフ) - 完結おめでとうございます!文章がとても私の好みで……って何目線だ私。失礼しました。また作品を書くご予定がありましたら読みたいです!今までお疲れ様でした。 (2017年4月16日 20時) (レス) id: e57abe86e9 (このIDを非表示/違反報告)
桜唄(プロフ) - As.@暇潰生活さん» いえいえ、どういたしまして。 (2017年2月28日 18時) (レス) id: 920de4e9ca (このIDを非表示/違反報告)
As.@暇潰生活(プロフ) - 桜唄さん» 桜唄さん!!前作に続き、ありがとうございます!!^^* (2017年2月28日 18時) (レス) id: 720431c454 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:As.@暇潰生活 | 作成日時:2017年2月26日 14時