気狂系の君は、職場で黒布に巻かれるそうです。

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翌日、芥川様のお部屋を訪問してみましたが、
あいにくお留守でした……。






ガックリ扉の前で肩を落としていると、
黒服の方が私に書類を突き出した。



そこには分かりやすく
『任務』と書かれている。






「わざわざありがとうございます。……そうですか…私にも遂に任務が…！」






なんだか新しい候補が現れる予感がしますね！
すっごく楽しみです！









……仕事内容は、廃屋に居着く者の排除。

特定のしづらい廃屋で、マフィアの情報を抜いては売買していた輩らしい。




構成員を数名行かせても、翌日には連絡が絶えてしまうという危険な件だという。





どうしましょう、
ますます楽しみになってきました!!




頭脳明晰で、マフィアの構成員も
ものともしない危険人物……！







これはまた理想に近い御方に出会える予感がします！はやく行かなくては!!







私は、何を隠すことも無く廃屋の扉を開けた。

勢いで少し割れてしまったが、そこまで支障は無いはずだ。






私の求める人物はニヤリ、と怪しく笑うと上へと姿を消す。





その行動はまるで猟人。
鋭い眼光といい、余裕のある笑みといい…






早々に理想が叶えられそうです！








「……へっ、アンタみてぇなお嬢さんが来るたぁ、オレもなめられたもんだなぁ…」




「…その意気です!!そのまま私をお殺し下さい!!」






決まった様に叫ぶと、男はぐにゃっと顔を歪めて咳をした。

そして床に静かに降りると、私にナイフを突きつける。





「何のつもりだ？オレに病人を捌く趣味はねーぞ」




そのナイフには、殺意も敵意も込められていなかった。
試すように、脅すように構えられたナイフ。


実際、この人物は私を本当に子供としか思っていないのだろう。


どんな返答でも、この人は私を殺さない。



「病人ではございません。…強いてゆうなら」






期待して損をしました。
こういう方々は、女子供も躊躇なしに殺戮するのではないのですか？






「……罪滅ぼしです。私が死ぬ事で全て終わるのですよ。」








自分で手をかけては、躊躇によって死ねない。


弱いものでは、私を殺せない。


ならば、縋れるのは強者のみ。


縋ることの価値も無い弱者は……









「弱者はいりませんから、ね？」





死ねばいいのです

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