鏡の中の【キヨ】 (ページ10)

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4。霊感？ページ10

今日の空は晴天で、積もった雪がきらきらと光っている。

頂きます、と挨拶をして朝食をとり始める。

キヨさんは相変わらずこーすけとヒラを見て面白がっている。見えないからって酷いな。

……

食べ終えて部屋に戻ると、そこにはこーすけとヒラが待っていた。

何だろうと二人の前に座ると、突然こーすけが私の肩を掴んで詰め寄ってきた。

「お前、鏡の中覗いたろ！！」

「…え？」

気付かれるはずが無いのに。どうして？

キヨさんを見るとあちゃー、と小声で呟いている。何だろう。

「俺達昔から霊感ある方なんだよ。なんか毎朝俺達の周りで赤毛の奴がうろうろしてんだよ」

残念でしたねキヨさん。貴方の毎朝の奇行はしっかりと二人に目視されてる様ですよ。

「ばあちゃんには黙ってて」

「分かった〜」

「え！？ダメだろヒラ！」

何を見ているのか分からない瞳で、ヒラはぼんやりと呟き出す。

「Aの後ろの人、悪い人じゃないもんね？」

キヨさんが凄い勢いで首を縦に降っている。

その様子に二人が爆笑。なんだ、見えないって感覚がちょっとおかしくなりそうだよ。

「じゃあもう俺喋るわ。いや〜まっさか本当に霊感人間に会うとはなぁ〜」

「キヨさん私聞いてないです」

悪ぃ、と笑いながら謝られた。この人そういう所あるよな。

……

……そしてしばらくして。

「キヨすげえ！！鏡の中ワープ出来んの！？」

「おうよ！全身鏡なら何処でもいけるぜ！」

「僕の手鏡は〜？」

「んー…そうだな、多分出らんねぇわ」

あっという間に仲良くなってる。拒絶されるよりかはいいけれど、何だか呆れてしまう。

でもこれでキヨさんの知り合い…友達が増えたのならそれでいいな。

私はため息をついた後、静かに笑いキヨさん達の間に入っていった。