鏡の中の【キヨ】 (ページ9)

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「キヨさんは、何人の人と知り合いなんですか？」

「あー、そうだな。…4人くらいか」

キヨさんは、もうあの鏡にいない人も含めて、と付け加えた。

時間が経つと消えちゃうのかな。しかし、問に対してキヨさんは違うと答える。

「鏡壊された後、鏡の姿を持ってた女が死ぬ。そしたらもう消えちまう。」

「もう知り合いはレトさんとフジしかいねぇよ」

レトさんもいつ消えるか分かんねぇし。

そう苦笑いを浮かべたキヨさんは儚げで、今すぐ崩れてしまいそうだった。

「………私は死なないので、安心して下さいね」

「あぁ、頼むわ」

彼は大人の見た目をして、全く大人ではない。

「鏡が壊れても、フジさんに頼んで直してもらいます」

「ありがとな」

次に笑った顔はさっきよりも柔らかい。

少しは安心してもらえた様で、ちょっと嬉しかった。

「………フジの所、遊び行くか！」

「はい！行きたいです！」

ゆっくり立ち上がる彼に続いて、私ものんびり立ち上がった。