生意気系の君は、路地裏で帽子を踏むそうです。【文スト】

#special 愛する人の誕生日 ページ47

「今日蛞蝓の誕生日だけど、Aちゃん何するの？」





「…………え？」



【!!中原中也生誕記念!!】




中原中也の妻、中原A。
盛大にやらかしました。






「…え、中也の誕生日知らなかったの？」




「いやだって聞かねぇし言わねぇし知らねぇしぃぃぃぃ!!」






あっ、だから中也のヤツ最近チラチラ見てきたりソワソワしてたりしたのか…




いや、あれは実にやばかった。







「……な、何買えばいい？」


「さぁねぇ…、奥さんの方がご存知でしょ？」




「奥さんより相棒の方が分かるだろ!!」



「…えー…とりあえずお酒でも買ってあげれば？」




適当かよ…！

酒…か、でもイイヤツ知らないし多分高いだろうしなぁ…。ご飯も買っておきたいし…。






「…焦るなんて珍しいね…そんなに思い付かない？」





あーうっせぇなぁ！動くミイラ野郎が！
…部屋もちょっと飾りたいよなぁ…


でも間に合うかどうか…、確か今日帰り早いって言ってたし…







「……A!!」

「うぉわぁあっ!?何!?何で叫んだ!?」





太宰が真顔で私を呼んだ。
私の肩を掴んで、ぐっと距離を詰めた。



「落ち着いて、まずは一ずつ解決していくんだ。…今日の晩御飯は？」



「…お、お肉料理…沢山出す」



「よし、じゃあ飾りは何を使う？」


「壁にリボン付けたい…」



「ふぅん、じゃあ今夜の予定は？」


「…今夜は……ってオイゴラァァァァァァ!!」






流れで言うとでも思ったかクソが！
…油断ならねぇなこの包帯野郎。




「うふふ、冗談だよ。…ああそうだ。自分に買ったお酒があってね？中也に渡してくれるかな？私もういらないし。」



そういって太宰が手渡したのはかなり高そうなお酒。

綺麗な箱とリボンで飾られていて、とても自分用には見えない。


……あ、これもしかして太宰からの______






「……ありがとう、太宰。なんか…落ち着いた」




「ふふ…その代わりに。中也の滑稽な写真をくれるかな？」


「ゲスいな。まあ良い！その方が中也面白いし…ふっ」








探偵社を出て、急いでスーパーに寄る。

飾り…買ったし、お肉も買えた。
よし…間に合え!!









。









「間に合ったぁぁぁ！あと5分じゃねーかよ！」




なんとか飾り終え、料理を机に並べた。
少し歪な所もあるが、まあ旦那は許すだろう。

いや、許せ。


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