#42 記憶の青、瞳の青。 ページ43
……探偵社にアジトを潰された組織の残党を掃除しに行く。
別に身構える様な相手でも無いけど、人質を取られてるって言うから、結構な準備をしておいた。
そして、敵は目の前の廃墟にいる。
崩れた窓や壁からは、中の様子が伺えた。
中心に人質、四隅に1人ずつ、人質の四方に1人ずつ…。
どっからでも狙えるってこと？
へぇ。私の異能力なら意味無いけど。
私の異能力、『邪宗門』は自身の苦手とする物の動きを鈍らせたり、能力を低下させることが出来る。
苦手と思っていなくても、本性が拒絶する物には異能力が発動時する。
幸い、私は無駄に真面目なようで。
銃やら犯罪者やらが大嫌いだ。
「『邪宗門』」
｡｡｡｡｡｡｡｡｡｡｡｡｡｡｡｡｡｡｡｡｡
「ありがとう、おねーさん。」
人質に取られていたのは、橙のかかった髪と青い瞳の男の子だった。
「大丈夫？怪我とかない？」
「うん！おねーさんがすぐ来てくれたから！」
純粋で、可愛らしい笑顔の子だ。
思わずこちらまで顔が綻ぶ。
本当に間に合ってよかった。
「よし、じゃあ帰ろうか。お母さんからは連絡があったから、もう待ってると思うよ」
お母さん！？とさらに満面の笑みを零す少年。
やっぱり、お母さんがいると安心するよね。
一刻も早く連れて帰ってあげようと、先に扉を開けて廃墟から飛び出した。
はずだった。
「おねーさん。油断はダメだよ。」
「……かは、？」
横腹にナイフ。
染み込む血液。
身長のおかげかな、急所ではない。
でも、痛い。
「人質も母親も嘘の情報だよ。ていうか母親は自分でぶっ殺した。」
私を蹴って倒し、ワザと傷を踏みつけて廃墟を出ていく少年。
「おねーさん、とっても素敵な人だから生かしてあげる。でも、ボクのお家を無くした悪ーい探偵さんたちは…ぶっ殺すね。」
手に入っていた力が薄れていく。
「ていうか、探偵社も嘘に騙されるとか…。きっとゴミだよ。楽チンそうで良かったー」
……全身から力が抜ける。と、同時に寒気がした。力は入らないのに、圧力がかかっているように感じる。
「さーて、お掃除に行きましょー！」
「……ッ、………邪宗門ッ!!」
あまり、その瞬間は覚えていない。
ただ、貧血で顔が真っ青な少年が倒れていたのは覚えている。
綺麗な瞳も、真っ黒になってしまっていた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 198人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「文豪ストレイドッグス」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
山鶴月@草神茜羽(プロフ) - As.@暇潰生活さん» 是非是非(＾ω＾) (2017年2月26日 15時) (
レス) id: 4b4488fab6 (このIDを非表示/違反報告)
As.@暇潰生活(プロフ) - 山鶴月@草神茜羽さん» コメントして下さる方は神様ですから…!!私も地球の中心までご一緒させて下さい(笑) (2017年2月26日 15時) (レス) id: 720431c454 (このIDを非表示/違反報告)
山鶴月@草神茜羽(プロフ) - As.@暇潰生活さん» えぇ？！返信来ると思ってなくて.....ありがとう御座います！私は今の時点で埋まりすぎて地球の中心に達しそうです〇|￣|＿ (2017年2月26日 15時) (レス) id: 4b4488fab6 (このIDを非表示/違反報告)
As.@暇潰生活(プロフ) - 山鶴月@草神茜羽さん» 御期待に添えて嬉しい限りです!!いろいろと迷惑をかける事もありました…。応援して頂けて、コンクリに埋まる勢いで感激しております!!ご完読ありがとうございました!! (2017年2月26日 14時) (レス) id: 720431c454 (このIDを非表示/違反報告)
山鶴月@草神茜羽(プロフ) - うわぁぁぁぁぁあ！思ったよりも(良い意味で)斜め上を行く結末で.......うわぁぁぁぁぁあ！完結おめでとう御座います！これからも応援してます！ (2017年2月26日 14時) (レス) id: 4b4488fab6 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：As.@暇潰生活 | 作成日時：2016年10月16日 23時
