4。昼休み ページ5
.
「知らなかった?レトルトああ見えても地元じゃ喧嘩強いって有名だったらしいよ。それも中学じゃ負けなしだったって」
「ええ、そうなんだ…」
昼休み。
レトルトが購買に行ってる間牛沢が教えてくれた。
彼はそこそこ名の知れた喧嘩番長だったらしい。親の転勤で関東で有名なこのヤンキー高で力試しがしたいとか。
彼は不良だと思っていなかっただけに驚きが大きい。
「まあまだ高校生なって1ヵ月しか経ってないし、昔のことまで聞けないよな」
「牛沢も喧嘩強かったりするの?」
「俺ぇ?俺もまあそこそこやるけどね。
やる機会がないけどさ。ほら痛いのとか嫌いだし。
まあ別に喧嘩しろって言われれば?やるけど??」
「ふーん」
「聞けよ」
さっきのレトルトの怖さが今も残っている。あれが本当の姿なのだろうか。
「ちょっとA!なにピーマンの肉詰めいれちゃってんの!ねえ!?」
「ちょっとキヨくん落ち着いて」
「そうだよキヨくん落ち着きなさい」
「落ち着かないよ!?俺がピーマン嫌いなの知ってるよね!?」
「ごめんね。今日それしかなかったからさ」
「ハンバーグでよくない!?なんでピーマンに詰めたの、!?」
「はいはい。牛沢のアンパンあげるから許して」
「いやそれ俺のおやつね」
「よし。アンパンで手を打とう。」
「てめえら勝手に話進めんな」
「あれえ、キヨくん今日も愛妻弁当かあ。
羨ましいなあ!」
レトルトの穏やかな声にすら驚いてしまう。
さすがにビビりすぎだよわたし…!
「レトさんピーマンの肉詰め食べる?俺アンパン食うからあげるよ」
「いや俺によこせや」
「やった〜!Aちゃんの手作り料理!」
「やらねえからな!アンパンやらねえから!」
いつも通りの昼休み。
.
124人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ぴより | 作成日時:2019年10月17日 12時