11。思春期ボーイ ページ12
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「ちょいとキヨさん。今日朝練だっけ?
お弁当持ってきたよ〜…?」
昨日のお風呂戦争から彼は一切口を聞いてくれない。
「あ〜ん?寝てるの?……お弁当置いとくね」
机に突っ伏して寝たふりしてることくらい私にはお見通しだけど。
まあいいや。とB組の1番前の席にいるキヨくんの机の上に置いて教室に戻った。
「あれ?今日はキヨ来ないんだ」
「昨日から口聞いてくれないのよね〜」
「あらやだ、喧嘩でもしたの?おくさん」
「ちがうの〜昨日あの子がお風呂覗くんだもん」
「「っぶ!!!」」
ふたりは食べてたパンを気管に通してしまったようでむせ返っていて、口に詰まらせたまま怒声を発してる。
「ハレンチ警察ですよ!詳しく聞かせなさい」
「さすがにこれは聞き流せませんよ警部!」
そこまで話すことでもないと思いながら、ありのまま供述した。
「う、牛沢氏…さすがに過激すぎるです…」
「あの野郎を野放しにするわけにはいかん」
ふたりは足早に教室を出て行ったと思えばすぐにお弁当を片手にしたキヨくんを連行してきた。
わたしの顔を見るなり顔を赤らめていて、絶対見られたなと思いながらも子供の時から一緒に入ってたし…なんて考えていた。
「見たんだろ…なあ…吐いちまえよ」
「嘘はいけませんよ!うそは!!」
「ちょちょちょ!なんの話だって!!」
「お前わかりやすいんだよ。さすがに覗きはダメだって。」
「ちがうちがう!!!Aがいつもより長湯だったから風呂で寝てたら大変でしょ!?だから様子見に行ったの!」
「「見てんじゃねえか!!」」
なにやら楽しそうに向こうで話し出したのでひとりで弁当を食べ進める。今日の卵焼き甘すぎたなあ。
「で?どうだった?大きさは?」
「形は?形は?」
「だあああっ!お前らの方がヘンタイだろ!こっちは不可抗力だっての!!」
キヨくん耳まで赤くなってる。
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作者名:ぴより | 作成日時:2019年10月17日 12時