指に触れる愛が、３

４５. 同じ時を過ごせますように ページ29

『これにしようと思うんやけど、どう思う？』
與「ええんちゃう」
『でたよ、必殺ええんちゃう。真面目に答えてや』
與「ホンマにええと思ってるんやって！(笑)」
『ホンマにぃ？』
與「ホンマのホンマや」



何かの冊子を挟んで仲良く(？)話すAと真司郎。何見てんだろう？気になって近寄ってみると、…時計？時計のカタログ…？



日「時計買うの？」
『あっ、だっちゃんええところに』
日「え？なに？」
與「この時計どう思う？」
日「えっめっちゃカッコいいじゃん、何これ」
與「ほらな！」
『なんでアンタがどやるわけ』
日「なに？これ買うの？」
與「Aがな」



俺トイレ〜と立ち上がる真司郎の座っていたイスに座り、Aと一緒にカタログを覗き込む。



日「男物だけど、これ。坂本くんに？」
『そう〜』
日「…誕生日？」
『(笑)違う違う。婚約指輪のね、お返しに』
日「あぁ！」



そういうことかあ、と1人納得。



『勇人にこれ、似合うと思う？』
日「似合うと思うよ？身体大きいし、こういうケース大きいのいいと思う」
『これにしよっかな…じゃあ…あーでもなあ、好きかなあ？こういうデザイン』
日「Aが良いと思ったのなら、坂本くんなんでも喜びそうだし、別に全然カッコいいよ、それ」
『…そう？』



冊子を見つめて、よし！君に決めた！なんて言ってる末の妹を見て笑いながら、チラリと見えたその値段に驚愕する。



日「い…いい値段…するね…(笑)」
『いやホンマにそれ』
日「指輪相当いいの貰ったんだ？(笑)」
『(頷く)かなりね…怖くて触れないもん』
日「(恐怖で震える)」



触れないとか…一体いくらの貰ったんだよ…
さすがプロ野球選手…



日「まあ決まったんなら良かったよ」
『うん。あとは買うだけ』
與「今日行くんやっけ？」
日「(ビクッ！？)」



お前いつのまに戻ってきてたんだよ…サラリと入ってくるなよビビるだろ…！



『うん、そう。付いてきてくれるよね？』
與「しゃあないから付いてったるわ」
『どうもありがとうございますぅ』

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