指に触れる愛が、３

４４. その笑顔を守ること ページ27

北川「えっ、うそっ、ほんとに！？」
『ふふ、うん、ほんとに』
北「わあ〜！！おめでとう！！」



結婚することになったよ、と大好きな親友から幸せな報告を受けた。



『…へ、なに、なに泣いとるんー(笑)』
北「…ぐずっ、だ、だってぇ…」



その瞬間のAの表情が、あまりにも、嬉しそうで、幸せそうで。良かったね、やっとだね、と。まるで自分のことのように嬉しくて。

も〜泣かないでよ、と呆れたように笑って涙を拭ってくれるA。私がAに結婚を報告したときも、たしか同じように涙を拭ってくれたのを思い出す。



北「おめでとう、ほんっとにおめでとう！！」
『ふふ、ありがとう』



2人のことをずっと見守ってきた。Aと坂本くんが色んなことを2人で乗り越えてきたことを知っているからこそ、こうやって結婚まで辿り着けたことが本当に嬉しくて。

他人の幸せが、こんなに自分のことのように幸せなことって、ある？



『も〜そろそろ泣き止んで(笑)』



どれもこれも、この子がこんなに幸せそうに笑うから、その笑顔が私は世界で1番好きだからなのかなって、そう思う。



『結婚式、来てね』
「うん！当たり前！」
『スピーチもよろしくね』
「…うぅ、頑張るぅうう(泣)」
『あはは(笑)』



お互いの結婚式でスピーチするっていう、若い頃の私たち2人の夢がとうとう叶うんだって思ったらまたそれも涙を誘う材料になって。

今日はもう、とことん泣いてやる。



『いやそれにしても泣きすぎ(笑)』

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