指に触れる愛が、３

３５. 値段じゃない、けれど ページ1

撮影終わり、Aさんがご飯でも行こうよと誘ってくれたので久々にプライベートな空間でお話できる。…けど、まあ話のほとんどはやっぱり仕事のことで、スケジュール帳を覗き込みながら箸を進める。



『5月は北海道か〜』
柚「アップまで滞在ですからね、ちゃんと坂本さんに言っておいてくださいね」
『うん〜、でもあれだよね？ちょくちょくこっちで仕事あるもんね？』
柚「ですね、試写会とかファンミもあるので」
『あ〜家にはあんま帰れないか』
柚「頑張れば…一時帰宅くらいなら…」
『あはは、ええよ、面倒やから(笑)どうせ時間合わないだろうし』
柚「坂本さん寂しがるんじゃ…」
『っていうかまず私が寂しいけどね』
柚「(可愛いかよ…)」



あと少しで付き合って3年を迎える2人。はじめは坂本さんの愛の方が大きかったように見えたけど、今じゃどっこいどっこい。Aさんも、相当坂本さんのこと大好きなんだろうな、と普段の様子を見ていて思う。

3年目にしてもなお、喧嘩なんてしたことなくて、愛の大きさは増すばかり、なんて…素敵すぎるカップルだよなあ。



『今年ももう3月終わっちゃうね〜、早すぎ』
柚「ですね…年々早く感じる」
『あはは、それね』



憧れだなあ、本当に。



柚「あ、今日坂本さんは？」
『どっかで飲んでる。内海さんがなんちゃら〜って言ってたから』
柚「…お2人って、ルールとか決めてるんですか？」
『へ？なに急に？ルール？』



どうしたらそんなカップルになれるんだろうと、(今恋人いないけど)なにか秘訣があるのかと聞いてみる。

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