指に触れる愛が、２ (ページ4)

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星「今までなにあげたことあるの？」
『財布と、ネクタイ…くらい？そんなプレゼントしたことない』
星「へー意外。めっちゃプレゼントのやりとりとかしそうだけど」
『向こうはよく色んなものくれるよ。似合うと思って～とか、割とこまめにそういうのしてくれるけど私がそういうのこまめに出来ないからさ～…いつも申し訳なくて』
星「…Aちゃんがそういうの苦手なのはなんか納得できるわ」
『おーいっ！』
星「ごめんごめん(笑)んー…どんなものがいいとか希望はあるの？」
『日常で使えるもの、かなあ』
星「日常ねー…」
『野球選手が日常使うものってなに？…車？』
星「(爆笑)」

思考回路がぶっ飛びすぎてて笑うんだけどこの子！
車をプレゼントとか社長か！

『プレゼントとか苦手～…』
星「あ、時計は？」
『時計、は…まだとっておきたいんだよね』
星「？？なんで？？」

ちょっと照れ臭そうに、これ、ナイショね？と前置きして話し出すAちゃん。

『時計ってさ、……』

素敵な子だな、とそれを聞いて心から思った。女性から男性に時計を送る意味には「貴方を束縛したい」という意味があるというけれど、この子に束縛されるなら彼も本望だろう。

いつか、彼の腕で、彼女からプレゼントされた時計が時を刻みますように…なんて、柄にもなく、他人の幸せを願ってしまった。

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“おかえりなさい
なんか色々賞を獲ったみたいですね。おめでとう！
1年間お疲れ様でした、の気持ちを込めて選びました
気に入ってくれれば嬉しいです A”

家に帰るとリビングにAからの綺麗な字で書かれた手紙とプレゼントが置いてあった。

「なんか色々って…アバウトすぎやろ…(笑)」

だけどプレゼントを選ぶのが苦手なAが選んでくれたという事実でもう嬉しい。なにを選んでくれたんだろう。そっと包み紙を剥がす。

するとそこから出てきたのは…

「お、カッコい…」

バーバリーのベルトだ。さすが、俺の好みも分かってるし、なによりセンスがいい。これ、ゴールデン・グラブ賞の授賞式でつけよう。Aと一緒にいるみたいで、心強い。

Aに着信を残す。これで、受け取ったということは分かるだろうから。帰ってきたらお礼を言おう。

そういえば来月あいつ誕生日じゃん…プレゼント探そう。心から喜んでくれるようなものを。