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向こうで談笑していた山下さんの元へ駆けていくAさん。…あぁ…Aさん、悪いことなんて1つもしてないのになんでこんな悩まされなきゃいけないんだろう…

球界のモテ男と付き合ったから…?
はあ…こういう時に昔遊んでた人ってツケが回ってきたりするんだよなあ…

本当は、担当タレントにこんなに感情移入しちゃいけないんだろうけど…Aさんは、私が社会人一年目からずっと側で仕事を見させてもらっていて…独り立ちして、初めて担当させてもらったタレントさんだ。何にも出来ない私の失敗を笑って許してくれて、時には真剣に教えてくれて…その背中で、色んなことを教えてくれた、私にとっては、神様みたいな人で。

私は、Aさんみたいに出来た人間じゃないから、週刊誌を賑わすあの女性を、憎んでしまう。

私の大好きなAさんに、迷惑かけないで、って叫びたくなる。



柚「はあ…」



なんかもう、私が殴り込みに行こうかな?


.
.
.


「ほんっまにごめん!!」
『えーよ、別に(笑)』



久しぶりに会ったAに、開口一番で謝る。
セイラのせいで、Aの事務所に問い合わせの電話が鳴り止まないと柚ちゃんからちょっと怒り気味に連絡があった。

ついでにAが、記者に追いかけ回されて疲労困憊だ、という情報もくれた。

ホンマにごめん。



『勇人こそ、大丈夫なん?練習ちゃんと出来てる?』
「俺は全然…身から出た錆なので…」
『お、難しい言葉知ってるやん!…さては阿部さんあたりに言われたんやろ(笑)』



バレてる。つい昨日身から出た錆なんだから、とお言葉を頂いたばかりだ。

全部ガセ報道ではあるけれど、こうして何も言わずに信じて笑ってくれるAに、感謝の言葉しか出ない。



『ん?なに?そんな見つめないでよ(笑)』
「いや…」
『なに?気になるから言ってよ』
「…なんでそんなに、信じてくれるん?」



唐突な質問に、キョトンとしてパチパチ、と大きな瞳を開閉させる。



『なあに、逆に私のこと勇人は信じてないの?』
「え?いや、信じとるに決まってるやん」
『それと一緒だよ。好きだから、信じる。それだけ』



なにかおかしい事でも言った?と言わんばかりの表情のAに呆気にとられる。

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設定タグ:プロ野球 , 読売ジャイアンツ , 坂本勇人   
作品ジャンル:恋愛
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作者名:ハナ | 作成日時:2018年9月19日 23時

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