指に触れる愛が、２ (ページ20)

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どこか既視感のある顔つきは、ここ最近、どこかで会ったことのあるような気がしていた。

白「モデルって書いてあるぞ、この女。現場かなんかで会ったんじゃないか？」
柚「そう…ですね、可能性はありますよね」

まさかついこの前会ったばかりの人だなんて気付かずに。

白「Aにもパパラッチ気をつけるように言っとけよ。打ち上げなんかは特に、山下くんあたりと撮られる可能性高いからな。ダブル浮気、なんて書かれたらたまったもんじゃない」
柚「はい」
白「はあ…アイツも大変だな、モテる彼氏持つと(笑)」
柚「Aさんも充分モテてますけどね…」
白「それは間違いないな」

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戸「あんた、大丈夫なの？」
『へ？なにが？』
戸「彼氏、撮られたでしょ」
『…あぁ、そのことか』

トッティがなにやら真剣な顔で声を潜めてくるから何事かと思えば今朝の記事のことだったらしい。

戸「…なに、そんなあっさりした感じ？ガセ記事？」
『そ～ガセ』
戸「ちょ、詳しく」

興味津々な感じで身を乗り出してくるから、勇人の昔の遊び相手で今も付きまとってくるんだって、ということを簡潔に説明すると、

戸「いるよね～そういう女！」
『(笑)』
戸「だって…売れないモデルでしょ、その女！絶対売名だよ」
『まあ…私もそれは思うけど…スキャンダル出た時点で良いイメージになるわけないのになんでやるんだろうね？』
戸「良いイメージじゃなくても名前売れればそれでいいんじゃない？私たちにはわからない世界だけど。必死なんでしょ、生き残るのに」
『…そんな魅力的な場所かね？この世界って』
戸「チヤホヤされるのが好きだったらそうなんじゃない？(笑)」

そういうもんかあ。