・ ページ39
すぐに柚ちゃんは飛んできた。
柚「Aさん！！！」
『柚ちゃん…』
柚「ごめ、ごめんなさい、私が最後まで一緒にいれたはずなのに、」
Aに抱きつき、涙を流す柚ちゃん。涙の止まっていたAもつられて泣き出す。柚ちゃんと一緒に来た、Aの事務所の佐伯さんという人が、Aに謝る。
佐「A、こんなことになるまで我慢させて…すまなかった」
Aから離れた柚ちゃんも一緒に頭を下げる。
すぐ隣にいた俺の手をギュッと握るA。
『……警察には？』
佐「まだ、」
「さっきAに話聞きましたけど、これは警察呼ばなアカンでしょ…もうこれ立派な事件ですよ」
警察に相談していれば、こんなことにはなっていないかもしれなかったのに。
柚「呼びましょう…」
佐「…」
柚「今は仕事より、Aさん自身を守るべきです…」
佐「そう、だよな…」
電話をかけに行く佐伯さん。柚ちゃんも事務所に連絡をすると、外に出て行った。
『勇人、ごめん』
「どうして謝るん」
『やって、迷惑かけちゃった…』
静かに涙を流すAを見て、胸が痛くなる。
迷惑なんて、言うなよ。
警察に相談しなかった事務所に腹を立てているけどそれ以上に、毎日のように連絡をしていたのに気づいてあげられなかった自分に、1番腹が立つ。
「お前のことで、迷惑なんて1ミリも思わへんから…これからはなんでも言ってや…家におらんこと多くて頼りないかもしれへんけど、知らないとことでAが傷ついてるのは、もう耐えられへん」
『うん…』
「よう1人で、頑張ったな」
抱きついて泣くAをこれでもかというくらい強く抱きしめ返す。今にでも抱き潰せてしまいそうなほど華奢な身体で、色んなこと抱えて頑張っていたんだろう。
…コイツのことは、俺が守らなアカン
そう1人で、決意する。愛しくてしょうがないこの存在を、悲しませたりなんかしないように。
「一緒に住むか」
『え？』
「もうこの家に1人でおるの嫌やろ。1人で暮らすのも、怖いやろ」
『……』
「家空けること多いけど、近くにおったら安心やし…なにより…」
『？』
「俺が嬉しい」
『…ふふ、』
「やから一緒に住も？な？」
『うん、…住みたい、近くに居たい』
そう言ってまた涙を流すA。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 836人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「プロ野球」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ちぇる(プロフ) - こんばんわ、初めまして！キュンキュンしながら読んでいます。Twitterフォロー失礼します。 (2021年8月29日 22時) (
レス) id: 1fb1214a6e (このIDを非表示/違反報告)
ハナ(プロフ) - ぴよさん» ありがとうございます〜許可させていただきました！ (2019年11月7日 20時) (レス) id: 98e31ab7a5 (このIDを非表示/違反報告)
ぴよ - Twitterのフォロー失礼します！ (2019年11月6日 23時) (レス) id: 83114b884a (このIDを非表示/違反報告)
ハナ(プロフ) - milkさん» どのアカウントでフォローしてくださったのか分からないので、DM頂けると嬉しいです。 (2018年11月2日 17時) (レス) id: f98a4423c1 (このIDを非表示/違反報告)
milk(プロフ) - ツイッターのフォロー失礼します！ (2018年11月1日 19時) (レス) id: 9282ec8f15 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ハナ
| 作成日時：2018年9月17日 22時
