隣のCafeのお嬢さんが愛されています

親の言葉はデカすぎる ページ4

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元々 料理が得意だった

共働きの両親が家にいることは少なく、
毎日、自分でご飯を作っていたからだろう



手元なんて見なくたって人参を切れる
挙句の果てには魚も捌けるようになったりと

とにかく得意




コーヒーは父が好きだった

夜は遅くに帰ってくるのに、
朝はきちんと起きて目覚めの一杯を飲む



それも自分で豆を挽くところから始めるから
好きを通り越して

最早職人レベルの手際の良さだった





だからだろうか


わたしもコーヒーが好きだった


あの独特の苦みのある香りも、
上手く抽出できたときの色も、




コーヒーを作る父の手も好きだった



父「Aはコーヒーが好きだな〜。」

「パパの作る、ね。」

父「はははっ...Aも作るか？」

「いい。まだパパの見てる。」

父「...だははっ！さすが俺の娘だ！」




まだ8つだった私に父は言った

嬉しいことだと笑って、
わたしの頭を撫でることを忘れずに...




両親が共働きだからだろうか

8つにして周りとは違ったと、
大きくなってから聞かされた事がある


どうやら大人びた言動をしていたようで...



わたしとしては何も覚えていない
欠片も覚えていないけど、

確かに我が儘を言った事は無かったようにも思える





だからだろうか
父と母はわたしにソレが向いていると言った



レストランを開くのもいいだろう



大人になるにつれて、
彼らは笑い話でそんな事を言う




当時高校生だったわたしに
少し違った道を与えてくれた言葉だ







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