建築士と実況者集団【wrwrd!】【日常組】 (ページ36)

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建築士74 ページ36

「チッ……行くぞお前ら」

ガタイの良い男は二人を見た瞬間俺の腕を乱暴に離した

「こんのっ……！」

「辞めときや、お姉さんがやったって多分どっか怪我してまうで」

「……」

眼鏡の男性はそう言った
前にもグルッペンに似たようなこと言われた気がする

「この間の人だよね、腕強く掴まれてましたけど……」

「別に怪我してませんよ
心配有難うございます、あと助けても頂いて……」

「ええよ、お姉さん何となくナンパされそうやったから忠告したんに……
なぁげどちゃん、俺も心配やしグルちゃんのこと待っとってええ？」

「でも大ちゃん、シャオロンと一緒に行くんじゃなかったっけ？」

「今回ばかりはしゃあないやん
目の前であんなんあったら、ほっとけへんもん」

シャオさんの事知ってる人……同じ大学の人？
でもそしたら名前呼ぶだろうし、我々のメンバー？

「居った、グルッペンまだ来てへんのか」

「あっ」

マスクの人がケーキ任せた眼鏡の人だ
グルッペンのことも知ってるっぽいしやっぱり……

「“我々だ”のメンバー……」

「え、知ってるん？」

「いやそりゃ、まぁ……」

“コラボさせてもらうクラルです”だなんて外で言えない

「A！待たせたか！？」

急いでいたのか、息を切らしたグルッペンが走ってきた

「ひとらんと兄さんは分かる
オスマンはまだか……
何で大先生が居るん？」

グルッペンは眼鏡の男性を睨んだ

「あっ、お姉さんAさん言うんやね」

「話を逸らすな」

「いや、シャオちゃんとこ行こう思っとったら
Aさん一人で居って、そん時から目ぇ付けられとったから忠告したんやけど
それ無視されて結局ナンパされとったから、合流したげどちゃんとナンパした奴ら追い返しただけやって」

「……ホントだから、落ち着け
俺だってナンパされるとは思わなかった」

グルッペンは睨むのを辞めて“仕方ない”とでも言うようにため息をついた

「大先生、シャオロンに連絡入れとけ
オスマンが来たらAの家に行くゾ」

「んー」

鬱先生はスマホを取り出して連絡を入れている

「えっと……
助けて下さり、有難うございます」

「あっええよ、気にせんで」

「うん、この間のお礼……かな」

お礼にお礼貰ったらまたお礼しなくっちゃなぁ……

「兄さん持っとるケーキ何？」

「そこのお姉さんのバイト先のケーキ」

「……ちゃんと一種類ずつ入れてもらってるから
家着いたら好きなの食っていいよ……」

グルッペンの眼差しにちょっと呆れたのは秘密だ