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８─我慢が出来る子 ページ9
俺のくだらない話をしている間に三十分が経った
「主、この短刀に君の霊力を流してみるんだ」
「やり方がよく……」
「分かりやすく言おう
俺を顕現した時、どうやったんだい？」
「特に何も……
ただ、願った感じですかね？
お姿を見せてくださいって……」
「それで良い
俺の時と同じようにすればいい」
「成程！
頑張ります！」
すると主は、この二日間では見なかった真面目な顔をした
その顔はとても美しく、見蕩れる程だった
「顕現出来ましたよ長義さん！
青い髪の子です！」
主の言葉にふと現実に引き戻される
主の目の前に居る少年は、前の世界でも見た
「謙信景光、初めましてだね」
「ぼくのなをしっているのか？」
「名前だけだがね
同じ長船の刀だからね」
「じゃあ、長義なのか！？
もっとひねくれているとおもっていたぞ！」
「初対面でかなり失礼じゃないか」
舌っ足らずで上手く喋れていない
謙信景光は、あの上杉謙信の刀
もう一振長船の刀があり、それは太刀
まぁ、長船には太刀が多いのだが
「お知り合いですか？」
「作った者は違うが、同じ刀派なのさ」
「成程……言わば兄弟とかご家族ということですね！」
「そういう事だ」
「ぼくは謙信景光！
これからよろしくたのむ！」
「……はい！
宜しくお願いしますね、謙信君！」
今、一拍開いたな……
「苦手ぐらい克服したらどうだい」
「なら長義さんも写しだとか偽物だとか言わないでくださいね」
「ハッ、何を言うかと思えば……
はっ倒すぞ」
「初期刀が物騒すぎる」
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