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５─今と昔 ページ6
「主、鍛刀はどうしたんだい？」
「長義さんと一緒にやりたかったので、まだやっていません！」
「ならちょうど良い
こんのすけは手伝い札をもう一枚置いて帰った
これを使って鍛刀をしようか」
「そうですね！
どんな子が来るのでしょうか！」
主はとても楽しみだと言うように笑った
「主は一体幾つなんだ？」
「十八ですよー
これでもまだ子供なんですよー」
十八……
それでまだ子供と言うと、平成のいつ頃だろうか
平成の次の元号だっただろうか、十八から成人になったのは……
「今はまだ未成年の扱いですけど
いつかはこの年で成人出来るんだってニュースでやってました！
まぁ、飲酒と喫煙は出来ないらしいですけど」
「主は酒を飲みたいのか？」
「死んでも飲みませんし、煙草も吸いません！」
何と元気よく否定したことか
「私、驚いてるんです
いきなり未来から来たとか言われて、気付いたら変な建物に居て
元の世界には返せないって言われて……」
つまり、主は二度と平成には戻れない
残して来たであろう家族とは、例え死んでしまっても会えないのだ
「何と強欲な……」
人間は欲深い生き物だ
きっと彼女は、葬式にも顔を出させてもらえないだろう
出したとしても、彼女の家族は主を恨み罵る
“勝手に消えたのに、今更帰ってくるとは何事か”と
この2205年の世の人間は、自分勝手だらけだ
「主、俺はいつだって主の味方だ
辛いことがあれば俺に頼るんだ
“家族”なのだからね」
この言葉を、まさか俺が使うことになろうとは思わなかった
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