残されたもの#1 ページ26
あれから退院するまではそう時間はかからなかった。
余程の重症故に最初は慎重にリカバリーをしていた。しかし、私の驚異的とも言える回復力により、強めの治癒を2、3回施してもらえばすぐに日常生活に戻れるまでになった。
だが、家に帰ってみると自分の心がまた血を流し始めた。
ここには、私が捨てきれなかった母との思い出があるように思えた。真っ白でまっさらな病室ではそんな環境と切り離されていた為、自分は思ったより大丈夫だと誤認していたらしい。
怪我のかさぶたが剥がれたように、後悔と自責の念が襲う。
かと言って外に出たいとも思えず、私は退院してからの三日間部屋のベッドに引きこもった。夜になってもろくに眠れず、食事もほとんど水分で誤魔化した。
確実に私の体は入院時よりも衰えていた。
・
相「本当に大丈夫ですか？」
オ「あぁ！今日中に回らないといけないんだろ？この調子だとディナータイムに差し掛かっちゃうぜ。ここは私が行くから君は他を急いだ方がいいんじゃない…かな！？」
朝から生徒の家に回り続け、最後の家にたどり着く頃には本当にディナータイムになってしまった。
そのマンションの一室の前に着くと、違和感を覚えた。１つの物音もなく、その上明かりも付いてない。夏とはいえそろそろ付いてもいいはずの時間だ。
チャイムを鳴らすも、出てくる気配はない。出かけているのだろうか。ドアに手をかけると鍵はかかっていなかった。
少し埃は被っていたが、綺麗に整えられた玄関。そこには家主のものと思われる靴が置かれている。
相「相澤だ。透見、いるんだろ？返事しろ
…入るぞ」
ここを最後にするべきではなかったか？“最悪の事態”を想定し、冷や汗が伝う。
透見はすぐに見つかった。部屋のベッドに座っていた。
相「電気もつけないで何してんだ」
『…見てわかりませんか？何もしてないですよ」
言葉どうり、暗闇の中ただ何もしないで座る彼女は寧ろ不気味だった。
『先生こそ、何してんですか。夜に教師が女子生徒の家に不法侵入なんて笑えませんよ』
相「そんな言い方をするな。家庭訪問だ」
『うちには挨拶する親もいないんだから電話で十分だったんじゃないですか？』
相「お前の場合はそういうわけにはいかねぇだろ
今日はこれからの雄英の方針と
お前の処分を伝えに来た」
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ピポ助(プロフ) - 今後新たな作品を書くつもりがありましたら、頑張ってください！！ お気に入りの作者に追加しておくので！書いてくださったらすぐ飛んでいきます！！！ (2019年7月31日 20時) (
レス) id: 4111e46406 (このIDを非表示/違反報告)
ピポ助(プロフ) - コメ失礼します！！ めっちゃ！感動！！しました！！！！！ お母さんの話がこの作品の山場？だと思いますが最後の誕生日会もちゃんとA組みんなが関わっていて素晴らしいと思いました！！ 書ききれないんで上に続きます！ (2019年7月31日 20時) (レス) id: 4111e46406 (このIDを非表示/違反報告)
いくと(プロフ) - ルーナさん» コメントありがとうございます！感動していただけましたか！そう言っていただけると作者としては本当に嬉しいです！この先も全力で泣かせにかかりますので何卒箱ティッシュのご用意を( (更新頑張ります！！ (2018年6月21日 18時) (レス) id: 12992f1ebb (このIDを非表示/違反報告)
ルーナ(プロフ) - 夢主と夢主のお母さんの話、凄い感動しました！涙が止まりません(泣)これから夢主がどうなるのか…続きが気になって仕方ないです！これからも更新頑張って下さい！ (2018年6月21日 0時) (レス) id: 6c368ece55 (このIDを非表示/違反報告)
いくと(プロフ) - 瑞稀さん» コメントありがとうございます！！私も今電車内で涙目です(コメントいただけた喜び)拙い文章ではありますが、期待に応えられるよう頑張ります！ (2018年6月16日 7時) (レス) id: 12992f1ebb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：[いくと] | 作成日時：2018年5月20日 10時
